ルブレフがソネゴを倒して2020年5つ目のタイトルを獲得 [エルステ・バンク・オープン]
2020年をその若いキャリアでもっとも成功に満ちたものにできたのは、感情をコントロールする術を学び始めたおかげだと23歳のルブレフは考えている。
「僕はコート上でまだ大いに文句を言っているが、その部分を変える必要がある。今週の僕は、その点で本当にうまくやった。僕はあまり文句を言っていなかったし、あまり感情を見せていなかったと思う。これは僕がこれまでプレーしてきた中で、もっとも穏やかな週のひとつでもあった」と世界ランク8位のルブレフは自己評価した。彼はフレンチ・オープン終了後、初めてトップ10に食い込んだ。
プレーしたここ4大会のうち3度優勝したルブレフはキャリアを通しての決勝での戦績を7勝2敗としただけでなく、ロンドンでシーズン末に行われるトップ8対決「ATPファイナルズ」への出場を確定させた。
「ここでタイトルを勝ち獲ることができてうれしいし、初めてロンドンで戦えることが決まって本当に幸せだよ」とルブレフはコメントした。「そのレベルに身を置いてトップ8プレーヤーたちと競うことができるようになるために正確に何を上達させる必要であるかを見るという意味でも、僕にとって本当によいチャレンジとなるだろう」。
自分の気性に関して、さらに鍛錬しなければならないかもしれないとルブレフは話した。
「もしトッププレーヤーと比較すると、もっとよくなる可能性がある。僕は今週いい仕事をしたし、これが正しい方向であることは確かだ。僕はこの方向に進み、常にポジティブであるようにする必要がある」と彼は語った。
この短縮されたシーズンで、ルブレフは5タイトルを獲った最初のプレーヤーとなった。世界ナンバーワンのノバク・ジョコビッチ(セルビア)は今のところ4勝を挙げており、2大会以上制した選手はほかにいない。
決勝でのルブレフはパワフルなグラウンドストロークで主導権を握り、最初の4つの自分のサービスゲームでわずか1ポイントしか落とさなかった。彼は5-4からのサービスゲームで2度ブレークポイントに直面したが、その双方をセーブして第1セットを先取した。
第2セットは4-4まで互いが自分のサービスゲームをキープする形で進み、そこからルブレフが強烈なリターンでブレークに成功した。大会を通して一度もサービスゲームを落とさなかったルブレフは、次のゲームで勝利をものにした。ルブレフの最初のマッチポイントでソネゴがリターンをアウトした瞬間、勝負に終止符が打たれた。
「この大会は僕にとって、本当に特別なものだ。というのも僕の祖父はオーストリア人なんだ。だから僕は、オーストリアの血を持っている。僕にとって本当に特別なタイトルだ」とルブレフは打ち明けた。この決勝に勝ったことでルブレフは今季の戦績を39勝7敗とし、勝利数でジョコビッチと並んだ。彼らふたり以外で、今季28勝以上を挙げた選手はいない。
2019年にアンタルヤで優勝したソネゴにとって、これはキャリア2度目の決勝だった。世界42位のソネゴは1週間前の予選決勝で敗れていたが、第6シードで出場予定だったディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)が肩の故障したためラッキールーザーとして本戦に滑り込んでいた。彼は6-2 6-1で勝ったジョコビッチとの準々決勝を含め、決勝までの道のりで1セットも落としていなかった。
「これは僕にとって、人生最高の大会だった。僕は間違いなく人生最高のテニスをし、世界1位の選手を倒した」とソネゴは今大会を振り返った。
「驚くべき1週間だった。今年5度目の決勝だったルブレフは自信に満ちているから、今日は容易ではなかったけどね。それでも本当に素晴らしかったよ」
ダブルス決勝も行われ、第1シードのルーカシュ・クボト(ポーランド)/マルセロ・メロ(ブラジル)がジェイミー・マレー/ニール・スクプスキー(ともにイギリス)に7-6(5) 7-5で競り勝った。(APライター◎エリック・ウィレムセン/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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