ズベレフがナダルから2度目の勝利、決勝でメドベージェフと対決 [パリ・マスターズ]
グランドスラムで最多タイとなる20回の優勝を誇るナダルは輝かしいキャリアの中でATPマスターズ1000の大会での35勝を含むツアー通算86タイトルを獲得したが、2007年にこのパリ・マスターズで至った唯一の決勝ではダビド・ナルバンディアン(アルゼンチン)に敗れていた。
新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのために無観客のベルシー・アリーナで第2セット6-5から自分のサービスゲームを迎えたズベレフは、そのゲームをこの日13本目のサービスエースでスタートさせた。彼は40-0からの最初のマッチポイントでダブルフォールトを犯したが、次のポイントでナダルのフォアハンドのダウン・ザ・ラインがサイドアウトして決着がついた。
これは23歳のズベレフにとって、7度目の対戦でナダルから挙げた2度目の勝利だった。
「僕はたった今、ラファを倒した。それは決して容易なことじゃない」とズベレフは語った。「その点については、全世界が僕に同意すると思うよ」。
ナダルは第1セット第3ゲームをラブゲームでブレークされ、そのまま第1セットを落とした。彼が最初のセットを落としたのは、今大会で3度目のことだった。ズベレフがファーストサーブからのポイントの78%を取ったのに対してナダルは60%で、サービスエースの数でも9対1とズベレフが上回った。ズベレフは短くなったリターンに対して前に入ると、強打を警戒したナダルの意表突くドロップショットでセットを締めくくった。
第2セットでもズベレフが第3ゲームでブレークに成功し、試合を優位に進めていった。第6ゲームでふたつのブレークポイントをものにし損ねたとき、ナダルはフラストレーションからラケットヘッドにパンチを食らわせる仕草を見せた。しかし彼は気持ちを立て直して次のゲームで4つのブレークポイントをセーブしたあと、この日唯一のブレークを果たして4-4と追いついた。
ところが安定性を欠いていたこの日のナダルは、自分のサービスゲームで相手に多くのチャンスを与えすぎていた。ズベレフに3度目のブレークを許したあとのコートチェンジで、ナダルはベンチに座って頭を振った。
「彼のサービスは凄かった。僕はいつもよりうまくリターンしていたと思うけど、最初は返球が不可能なほどだった。彼は爆弾のようなサービスを打ち込み、常に適切な場所に狙ってきた」とナダルは相手を称えた。「だから僕は試合の後半、ベースラインから8mくらい後ろに立つことにしたんだ。それはある程度うまく機能したと思うよ」。
ズベレフは日曜日の決勝で、第10シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を6-4 7-6(4)で破って勝ち上がった第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)と対戦する。
両者の過去の対戦成績は5勝1敗でズベレフがリードしており、ズベレフは4度目のマスターズ制覇とキャリア14度目のツアー優勝をかけて決勝に臨む。2019年USオープン準優勝者のメドベージェフは今大会では過去に1勝しか挙げたことがなかったが、マスターズで3つ目のタイトルとツアー8勝目を目指している。
「僕たちは明日、お互いに相手に贈り物はしない。どちらが勝つか見てみよう。僕は楽しみにしているよ」とズベレフは決勝についてコメントした。「僕らはふたりとも、これ以上ないくらいハングリーだ。お互いにこの大会での初タイトルが目の前にあるんだからね」。
ウイルスの感染を抑える目的でフランスで実施されているロックダウン(都市封鎖)のため、大会は無観客で開催されている。(APライター◎ジェローム・パグマイア/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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