ティームが2つのタイブレークを制してナダルを打破「本当に素晴らしい試合だった」 [Nitto ATPファイナルズ]

写真はドミニク・ティーム(オーストリア)(Getty Images)

男子トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月15~22日/賞金総額570万ドル/室内ハードコート)のグループ・ロンドン2020のラウンドロビン(総当たり戦)第2戦でドミニク・ティーム(オーストリア)がまたもタイブレークを制し、グランドスラム大会優勝歴20回のラファエル・ナダル(スペイン)を7-6(7) 7-6(4)で倒した。

 1月のオーストラリアン・オープン準々決勝以来となるナダルとの対戦で、第3シードのティームは5本目のマッチポイントをものにして勝利を決めた。メルボルンでの対戦の際にも、ティームは非常に競った4セットの激闘で3つのタイブレークを制して勝者となっていた。

「ミスや自分が正しくできなかったことを探そうとしても、それほどたくさん見つからないと思う」とティームは胸を張った。

 今年のUSオープンでグランドスラム初タイトルを獲得したティームは、このシーズン末のトップ8対決の大会のグループ戦を前年度覇者のステファノス・チチパス(ギリシャ)に対する3セットの勝利で始めた。彼はイブニングセッションで第6シードのチチパスが大会初出場となる第7シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を6-1 4-6 7-6(6)で下した瞬間、グループ最後の試合を待たずして準決勝進出を決めた。

 ラウンドロビン初戦でルブレフにストレート勝ちした第2シードのナダルは2戦目で勝ち上がりを決めるチャンスを逃し、木曜日に決勝トーナメント進出をかけてチチパスと対戦することになる。ナダルは一度もATPファイナルズで優勝したことがなく、それは彼の輝かしい経歴の中の大きな空白となっている。

 ナダルはティームを称えたが、この試合を「非常に拮抗したものだった」と表現した。

「僕たちはお互いに、非常に高いレベルでプレーしていた。彼はカギとなる瞬間に僕より少しいいプレーをしたから、勝利に値したよ」とナダルは語った。「ただ僕は数日前と比べ、自分がプレーしているテニスのレベルにずっと大きな自信を持っている」。

 自分のパフォーマンスをキャリア最高のもののひとつと表現したティームは第1セットのタイブレークで一時2-5と劣勢に立たされながら挽回し、2つのセットポイントを凌いだ末にそのセットをものにした。

 試合を通して質の高いショットが飛び交ったが、第1セットのタイブレーク終盤の3ポイントの間にティームが回り込んでのフォアハンドの逆クロスで2本のウィナーを決めたシーンは特に目を惹いた。1本目は6-7からのナダルのセットポイントで決まり、ふたつ目でセットを締めくくった。

「最初から最後まで、本当に素晴らしい試合だった」とティームは振り返った。「でも実際、あの第1セットを取れたのはかなりラッキーだったよ」。

 双方のプレーヤーが第2セットでブレークを許したあと、ナダルは4-5からの自身のサービスゲームで0-40とされながら3つのマッチポイントをセーブした。彼はそのゲームで5ポイントを連取したが、その中にはナダルが放った股下からのロブをティームがスマッシュしたが、最終的にナダルがバックハンドのパスをダウン・ザ・ラインに決めた見応えあるラリーも含まれていた。

 ふたたび突入したタイブレークで、ティームは3ポイントを連取して6-3とリードを広げた。ナダルはまたもマッチポイントを1本凌いだが、次のラリーでバックハンドをわずかにサイドアウトして試合に終止符が打たれた。

 新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの第二波のためにオーストリアがふたたびロックダウンに入った日、同国でもっとも偉大なアスリートの一人であるティームは母国の人々のためにショーを演じることができたことを喜んだ。

「母国の人々が試合を楽しんでくれたことを願っている」とティームはコメントした。「そして彼らが数時間の間でも、我々がいま体験している困難な時期のことを忘れてくれたならうれしいよ」。

 ロンドンでATPファイナルズが開催されるのは12年目の今年までとなっており、2021年から25年まではイタリア・トリノで行われることが決まっている。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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