決勝はジョコビッチ対ナダルではなく、ティーム対メドベージェフに [Nitto ATPファイナルズ]

写真はダニール・メドベージェフ(ロシア/右)とラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)

男子トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月15~22日/賞金総額570万ドル/室内ハードコート)の優勝杯をかけた試合は世界ランクでトップ2のノバク・ジョコビッチ(セルビア)とラファエル・ナダル(スペイン)ではなく、3位のドミニク・ティーム(オーストリア)と4位のダニール・メドベージェフ(ロシア)の間で争われることになった。

 第1セットを取った試合で71連勝中だったナダルは、土曜日の準決勝でも6-3 5-4として自分のサービスゲームを迎えていた。しかしその場面でメドベージェフがラブゲームでブレークに成功すると挽回劇をスタートし、最後の4ゲームを連取して3-6 7-6(4) 6-3で勝利をおさめた。

「僕たちの双方がテニス史上もっとも偉大な2人の選手を倒せたというのは素晴らしいことだ」と第4シードのメドベージェフはコメントした。「テニス界にとって素晴らしいことだと思うよ」。

 第3シードのティームは第1シードのジョコビッチに対して第2セットのタイブレークで硬くなっていまったために4つのマッチポイントをフイにしたが、そこから奮起して最終的に7-5 6-7(10) 7-6(5)で競り勝った。

 ティームはジョコビッチが最多記録に並ぶ6度目の優勝への挑戦を終わらせたが、メドベージェフはこの勝利でグランドスラム大会を20回制したナダルがまだ手にしていない最大のタイトルへの道を阻んだ。

 57回目となるジョコビッチとナダルの対決の代わりに、ティームとメドベージェフが決勝で5度目の対戦に臨むことになる。両者の過去の対戦成績は3勝1敗でティームがリードしており、その中には27歳のティームが9月に初のグランドスラム優勝を遂げる過程のUSオープン準決勝におけるストレート勝ちも含まれている。

「僕は間違いなく、彼を困らせたり煩わせることができる」と決勝への意気込みを語ったメドベージェフは、この日のナダルに対してもそれをやってのけた。

 第2セットで4ゲームを連取してサービング・フォー・ザ・マッチを迎えた第2シードのナダルは、決勝に向けて邁進しているように見えていた。ところが驚いたことに、彼はそこで躓いたのだ。試合中に体の問題を抱えていたのかと問われたナダルは、「僕はまずいゲームをプレーした。それだけだ」と答えた。

 ひとたび試合の中に戻ったメドベージェフは少し当たり損ねのようなロブのウィナー、26本のラリーを締めくくったフォアハンドのウィナー、相手のミスを引き出したバックハンドのジャンピングショットなどもあってタイブレークを支配した。

 そしてナダルはそこから立ち直りきることができず、最後の3ゲームを落とすことになった。彼は通常より頻繁にサーブ&ボレーやバックハンドスライスを使い、いつもよりも多くフォアハンドをミスしてしまった。

 5セットの渡る激闘の末に敗れた2019年USオープン決勝を含め、この試合までメドベージェフはナダルに対して0勝3敗だった。しかしひょろりとした24歳のメドベージェフは一流のサービスと優れたバックハンドを駆使し、ベースラインからの長いラリーでの粘り強さを発揮して初めてナダルの壁を突破した。

 1年前は初出場だったメドベージェフがラウンドロビン(グループ内総当たり戦)を3連敗で終え、ティームは決勝でステファノス・チチパス(ギリシャ)に敗れて準優勝に終わっていた。

 最終日の決勝でどちらが勝っても初優勝となり、同大会からはここ6年に6人の違ったチャンピオンが誕生することになる。このようなことが起きるのは、1974~79年以来のことだ。またATPランキングの上位4選手が揃って準決勝に進出したのは、2004年以来のことだった。

 ロンドンでATPファイナルズが開催されるのは12年目の今年までとなっており、2021年から25年まではイタリア・トリノで行われることが決まっている。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images