2020-12-12

ジュニア

男子が原﨑朝陽と大矢祥生、女子は森岡きららと新見小春が決勝に進出 [第41回全日本ジュニア選抜室内]

写真は大矢祥生(名古屋高)(撮影◎佐藤真一 / SHINICHI SATO)

公益財団法人日本テニス協会(JTA)が主催するジュニアの全国大会としては今年唯一の開催となった「JOCジュニアオリンピックカップ第41回全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会」(12月10~13日/兵庫県三木市・ブルボンビーンズドーム/室内ハードコート)の競技2日目は、1次リーグ(グループ内総当たり戦)の最終戦と順位別トーナメント1回戦が行われた。

 1位トーナメントの初戦は、すなわち大会の準決勝だ。男子はまず、東海選出の大矢祥生(名古屋高)が四国選出の丹下颯希(新田高)に6-2 6-3で快勝。高校選抜やインターハイなど大きな目標を次々と失い、これがちょうど1年ぶりの大会出場という大矢の実戦不足は否めない。しかし、ここまでの4試合で失セット0の好調ぶりだ。その要因としては、この期間に以前からの課題だったボレーの強化に取り組んできたことを挙げる。

「最初はタイミングも何もまったくダメでしたけど、だんだん分かってきました。今のところ、練習の成果がいい感じで発揮できていると思います」

 カウンター系のストロークが主軸だったが、184cmの長身はそれだけではもったいない。来年からの大学生活でのテニスライフもポジティブに思い描き、“変化”に挑むモチベーションは高い。

 大矢が決勝で対戦するのは、予選A組を同じく3戦全勝で終えた原﨑朝陽(神村学園神戸)に決まった。原﨑は準決勝で、北信越選出の石垣秀悟(松商学園高)を6-4 6-1で退けた。

 原﨑は大矢より2つ下の高校1年生で、両者は昨年のこの大会の1次リーグで同じ組を戦っている。そのときは大矢が大接戦の末に勝ったが、結局リーグ内の3位と4位に終わった。そんな2人には、強靭な精神力が試された2020年の締めくくりにふさわしい決勝を期待したい。

 一方の女子は、優勝候補最有力だった松田絵理香(狛江インドアジュニアATPチーム)が予選A組で新見小晴(柳生園TC)に1-6 2-6で完敗を喫した。3戦全勝で1位トーナメントに進出した新見は155cmと小柄だが、スピードとパワーの向上に重点的に取り組んできたという。準決勝でもその成果を発揮し、15歳ながら予選D組を3戦全勝で勝ち上がってきた石井さやか(TEAM YONEZAWA)に3-6 6-4 6-1で逆転勝ち。終始気力を失わず、石井のダイナミックなショットにも喰らいついてラリー戦を何度も制して劣勢から流れを引き寄せた。

「これまでベスト8とかベスト4とかいつも壁を感じていて、ジュニア最後のこの大会では優勝して終わりたい」

 新見が過去に全国大会で決勝に進出したのは一度だけ。それが2017年のU-15全国選抜ジュニア(中牟田杯)で、そのとき敗れた相手が明日対戦する森岡きらら(奈良国際TC)だ。

 森岡は初日を危なげなく2勝で終えたが、今日は同じく2勝の中山友里(松商学園)に苦戦。第2セットをタイブレークで失ったが、最終セットでは経験と実績の差を示した。準決勝では、石井と同じく中学生ながら1次リーグ全勝と好調の14歳クロスリー真優(東京都TA)と対戦。クロスリーの的確なショットに追い詰められる場面もあり第1セットはタイブレークに持ち込まれたが、これを制して7-6(4) 6-4のストレート勝ちをおさめた。

「2試合ともキツくて、余裕がほとんどなかった。でもこのタフな2日目を勝ちきれたことは自信になりました」

 会場のブルボンビーンズドームは森岡のホームコートでもあり、日比野菜緒(ブラス)や加藤未唯(ザイマックス)など世界で活躍するプロたちと身近に接する恵まれた環境で過ごしている。自ずと育まれるプロ意識もあり、ジュニアの国内大会では負けたくない、負けられないという思い、力を出しきれば負けないはずだと静かな闘志を燃やす。白熱した決勝になりそうだ。

 なお明日の最終日は順位別トーナメントそれぞれの決勝と3位決定戦が行われ、出場者全員の順位が1位から16位まで決まる。(ライター◎山口奈緒美)

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撮影◎佐藤真一 / SHINICHI SATO

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