ジョコビッチの次の相手に希望はあるのか? [フレンチ・オープン]

 ここで分かり切った疑問が浮かぶ。生涯を通して2度グランドスラム大会の試合で勝ったことのあるだけの男が、ジョコビッチ戦に向けて十分な自信と希望を保つことができるのだろうか? ジョコビッチはグランドスラム大会で292勝、フレンチ・オープンだけも70勝を挙げている。

「うーん、正直言ってそれはどうか分からないな」とガランは答えた。

 それから彼は昨年11月のデビスカップで元トップ10選手のダビド・ゴファン(ベルギー)と対戦する前に、どれほど「本当に、本当にナーバスになった」かについての話を語り始めた。

「彼はゴファン、いつもテレビで見ている選手だ。僕はただコートに行き、彼が信じられないようなプレーをして僕を簡単に打ち破るだろうと予想していたんだ」とガランは回顧した。「でも結局のところ、彼らも同じ人間なんだ。彼らだってミスを犯すんだよ。そして彼らもカッとなったりするし、ベストを尽くそうとしている。それだけなんだ」。

 それはインスピレーションを掻き立てる意味深いことに響いたが、結果を調べてみると彼はその試合でゴファンに敗れていた。それでも彼は、第1セットを取ることには成功した。

 少なくともガランは、ひとつ彼にとって有利に働く可能性がある要素を手にしている。彼は何年にも渡ってジョコビッチのプレーを研究してきた――「彼はいつもテレビに出ている。いつもセンターコートで、いつも決勝でプレーしているから」――が、その反対はないということだ。

「正直に言って、彼についてはあまりよく知らないんだ。彼のプレーを見たことは一度もない。だから当然、ビデオで彼の試合をチェックしてチームの皆と一緒に準備をするつもりだよ」とジョコビッチはコメントした。ジョコビッチは2016年にフレンチ・オープンで優勝し、生涯グランドスラムを達成していた。

 ジョコビッチに対して0勝3敗となった世界66位のべランキスはガランにどんなアドバイスを与えるかと尋ねられたとき、戦術的なことについて話す代わりに精神姿勢について言及した。

「あそこまで偉大で強大な選手、ATPランキング1位でグランドスラムで驚くほど多くのタイトルを獲った史上最高の選手のひとりと戦うんだ。アドバイスするとすれば彼の成し遂げた成績を相手にプレーしないこと、ただコートにいる選手とプレーするということだ」とべランキスは助言した。

「僕自身の経験から言って、もっとも重要なのはその日にどうプレーできるかということだ。過去10~15年に対戦相手に何が起きていたかじゃない。だからパニックに陥らず、自分のテニスをプレーすること。そしてどうなるか見てみるんだよ」(APライター◎ハワード・フェンドリック&ジェローム・パグマイア/構成◎テニスマガジン)

※写真はダニエル エライ・ガラン(コロンビア)
PARIS, FRANCE - OCTOBER 01: Daniel Elahi Galan of Colombia celebrates after winning a point during his Men's Singles second round match against Tennys Sandgren of the United States on day five of the 2020 French Open at Roland Garros on October 01, 2020 in Paris, France. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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