「第43回全国選抜高校テニス大会」（3月20～26日／団体戦：博多の森テニス競技場、個人戦：春日公園テニスコート、博多の森テニス競技場／砂入り人工芝コート）の大会初日の21日は男女団体戦1回戦の各16試合が行われた。

　あいにくの雨模様でのスタートとなった2年ぶりの高校センバツ。まずインドアの男子4試合から始まり、天気とコートの状況を見ながら屋外コートの試合も順次、開始されていった。新型コロナウイルス感染予防のため応援は拍手のみで声援はなし。それでもポイントごとに起こる拍手と、思わず漏れるどよめきが大会初日を盛り上げた。

　インドアで一足早く始まった試合の中でも、大会一番乗りで勝利を挙げたのは静岡市立（静岡）。シングルス2本とD1の3連勝で札幌光星（北海道）を退けた。一方、決着までに約5時間を要したのが高松北（香川）と光泉カトリック（滋賀）の一戦。高松北が連勝で王手をかけながら、光泉カトリックが怒とうの反撃で劇的な逆転勝利を収めた。

　初日に登場した大会初出場の3校はいずれも1回戦突破はならず。光明学園相模原（神奈川）は2勝0敗から岩手（岩手）にまさかの3連敗を喫し、帯広北（北海道）は沖縄尚学（沖縄）から、誠英（山口）は浦和麗明（埼玉）から勝利をマークすることはできなかった。


初出場の帯広北（北海道）はこの敗戦を糧とする

　帯広北は推薦枠での出場だったが、北浦真斗監督は「次は自分たちの力で全国の切符を勝ち取りたい。全国の負けは全国で勝たないと払拭できない」と前を向く。前日のオンラインでの開会式で選手宣誓を務めた主将の秋元悠は、「すごく緊張したが、やることはやれた」と振り返ったものの、試合については「体が固まってしまって、思うようなプレーができなかった。みんな、そうだと思う。悔しい」と声を落としていた。

　1回戦屈指の好カードと目されたのが名古屋（愛知）と東海大菅生（東京）の激突。しかし、東海大菅生がシングルスで個の強さを見せつけ4勝1敗で2回戦に駒を進めた。

　敗れた名古屋の尾崎裕治監督は「D1を取って終盤勝負に持ち込みたかった」と唇をかんだ。緊急事態宣言下では練習時間が1日2時間に限られるなど、多くの学校と同じようにコロナ禍で難しい時間を過ごしてきたが、「その中でやるべきことはできたし、持てる力は出してくれた」と選手たちを称えていた。


名古屋（愛知）は無念の1回戦敗退

　初日の男子最後の試合は西京（山口）と東大津（滋賀）の一戦。1勝2敗の西京がD2をとってイーブンに戻した直後、2面展開で行われていたS3で東大津の飯塚星也が西京の弘空青を6-2で振り切り、熱戦に終止符を打った。決着の時は19時40分を過ぎていた。

　大会2日目の22日は、男女ともに団体戦の2回戦が博多の森テニス競技場で行われる。試合開始時間は9時の予定。