女子は小平市立小平第二(東京)が全勝で2度目の栄冠へ [2021中学センバツ]

2度目のセンバツ優勝を果たした小平市立小平第二(東京) 写真◎上野弘明

「第9回 全国選抜中学校テニス大会」(3月29、30日/競技:香川県高松市・香川県営総合運動公園テニス場/砂入り人工芝コート)の大会2日目、30日(火)は女子団体戦の1回戦から決勝が行われ、第2シードの小平市立小平第二(東京/以下=小平第二)が第1シードの山陽女学園(広島)を2勝0敗で下して4年ぶり2度目のセンバツ制覇を果たした。

 決勝はトップ2シードによる頂上決戦となった。第1シードの山陽女学園は2年前の前回大会、第2シードの小平第二は4年前の初優勝以来となる決勝進出。両校ともに2回戦の初戦から準決勝まで1試合も落とさない完璧な勝ち上がりを見せて最終決戦を迎えた。

 決勝は15時40分から3面展開でスタート。どの試合も一進一退の攻防が繰り広げられ、試合は序盤から中盤、終盤へと進む。そして、最初に試合が決まったのがD1。先制したのは小平第二だった。小島陽菜/近藤海里の1、2年生コンビが清田あいこ/清瀧海香との対戦で4-4からブレークに成功。第10ゲームのサービスゲームをしっかりとキープしてチームに勢いをつける1勝を手にした。

 優勝に王手をかけた小平第二はさらに勢いを加速させる。朝倉優奈が上野梨咲とのシングルスで3-2から3-4と逆転されながらも「ダブルスが1勝してくれたおかげで一気にやる気が出た」と語るように、相手のライジングショットに苦しんだ中盤までの戦いから一転、同じ打点で打たせないよう緩急を織り交ぜたプレーで状況を打破。第8ゲームから3ゲームを連取する猛攻を見せ、緊張感のあるシーソーゲームを制した。


シーソーゲームとなったS1対決を制した朝倉優奈 (写真◎上野弘明)

 D2対決では岩佐南美/黄川田莉子も1-4とリードされた場面から3-4、4-5と食らいつき、朝倉がシングルスに勝利した場面で5-5と並ぶなど、団体戦で流れが変わる可能性がある“早期決着”を防いだ。結果的に1試合も落とさず、コートに立った全員で掴んだ完全優勝だった。

 トップ2シードの実力校同士の一戦は、終盤までどちらに転ぶか分からない混戦となった。「決勝は思うようにいかないことが普通なので、終盤まで集中がもつように戦う必要があった。それがしっかりとできた」と篠田徹監督も選手たちの頑張りを称えた。

 D1で流れをつくった小島は「去年はコロナの影響で大会がなくなってしまったので、今年はその分、優勝できてうれしい」と喜びを語れば、パートナーの近藤は「1年生で唯一メンバー入りできたこともうれしかったし、そこで日本一になれたこともすごくうれしかった」と笑顔が弾けた。


小平第二の1勝目を挙げたD1出場の小島陽菜/近藤海里(写真◎上野弘明)

 朝倉は初戦の2回戦以外、3試合でシングルスに出場。準決勝、決勝ではエースの大役を果たす白星を挙げた。「小平第二はダブルスが強いので、ほかの選手たちの頑張りがモティベーションになった。シングルスを任された以上、絶対に勝たないといけないと思っていた」と大会での心境を振り返った。

 2年前の大会に続き、決勝で力尽きた山陽女学園。当時の準優勝を経験した選手はいないものの、3年生の先輩から受け継いだ思いを今大会で晴らすことはできなかった。2019年の全中で全国制覇を果たし、昨年末に行われた全国私立中学校選手権でも優勝。優勝候補として臨んだものの、またもやセンバツの優勝旗を持ち帰ることはできなかった。

 敗戦後は多くのメンバーが大粒の涙を流し、悔しがった。河本風香監督は「本当によく頑張ってくれました」と選手たちに労いの言葉をかけた。シングルスで敗れた上野は「(自身が出場した)これまでの全国大会の団体戦は全勝だったのに、決勝で負けてしまった。すごく悔しいです」とうつむき、主将の井上季子は「本当に悔しい敗戦だけど、次は絶対に頑張ろうと思う」と夏の全中2連覇、日本一奪還を誓った。


準優勝に終わり涙を流す山陽女学園メンバー (写真◎上野弘明)

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編集部◎中野恵太 写真◎上野弘明

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