男子は第2シードの浪速(大阪)が3度目の決勝で初の日本一 [2021中学センバツ]

大会初優勝を決めて喜ぶ浪速メンバー(写真◎上野弘明)

「第9回 全国選抜中学校テニス大会」(3月29、30日/競技:香川県高松市・香川県営総合運動公園テニス場/砂入り人工芝コート)の競技1日目、29日(月)は男子団体戦の1回戦から決勝が行われ、第2シードの浪速(大阪)が第3~4シードの岡山大学教育学部附属(岡山/以下=岡山大教附)を2勝1敗で破り、センバツ初優勝を果たした。

 2018、19年と2大会連続で準優勝という結果に終わった浪速だが、昨年の大会中止を挟み、長年の雪辱を果たすときがきた。決勝の相手は、18年覇者の日本大学第三(東京)を準決勝で破った岡山大教附。センバツ初出場ながら一気に駆け上がってきたチームとの対戦となった。

 決勝は3面展開。3試合ともに序盤は拮抗する展開となったが、最初に勝敗が決まったのはD2対決だった。浪速の吉内賢汰/尾谷空輝が得意とするボレーを軸に相手にプレッシャーをかけ、ワンブレークアップを守ったまま塚本真崇/相馬仁寿を6-4で撃破。チームに貴重な1勝目をもたらす。


D2に出場した浪速の吉内(左)/尾谷。サービスゲームでテンポよくポイントを積み重ねた(写真◎上野弘明)

 S1対決はD2とほぼ同じタイミングで終わり、岡山大教附の藤本理功が窪田昂史とのエース対決を6-3で制するも、残るD1対決はすでに試合の終盤に差し掛かっていた。

 5-3とリードを奪う浪速の田内悠雅/荒木真弥はリターンゲームを迎えると、最後は相手のダブルフォールトによるブレーク決着。石津雄大/青山拓磨を6-3で退け、浪速の優勝が決まった。

 昨年の大会中止によって、2018、19年の準優勝を味わった選手たちはいないものの、選手たちは先輩たちの思いを背負いながら戦った。「大会前に選手たちが“先生を優勝させますよ”と力強く言ってくれた。この優勝はシンプルにうれしいです」と濱田渉監督も笑みがこぼれた。主将の窪田は「S1で負けてしまったけど、仲間たちが本当に心強かったし、チーム一丸となって優勝できてよかった」とチームメートに感謝した。

 決勝でD1に出場した1年生・荒木は「2年生が引っ張ってくれたから、自分のプレーに集中できた」と語れば、パートナーの2年生・田内は「決勝はリードした場面でも気を抜かずにプレーできたところがよかった」と決勝での戦いを振り返った。


D1対決を制してチームの優勝を決めた浪速の田内(左)/荒木(写真◎上野弘明)

 また、D2で1勝目を手にした吉内は「サービスゲームに自信があったし、リードの状況を作れたことがよかった。何よりもパートナーと試合を楽しめたのが一番大きい」と胸を張り、尾谷は「(吉内と)お互いにミスがあったときは支え合いながらプレーした。個人としては得意のボレーでポイントが奪うことができた」と語った。

 初出場から決勝に勝ち進んだ岡山大教附。主将の藤本は準優勝という結果に悔しさもあると語ったが、一方で「それぞれがやるべきことができたし、これまでの努力の成果が実った」と手応えを口にした。

 登録選手6人全員で話し合いながらオーダーを決め、準決勝では第1シードの日本大学第三を破る金星を挙げた。「チームとしても個人としても大きな自信を得たと思う。この準優勝の経験と誇りをもって、夏の大会にも臨みたい」と前を向いた。


岡山大教附の藤本は今大会出場した試合すべてで勝利を収める活躍を見せた(写真◎上野弘明)

 明日30日(火)は女子団体1回戦から決勝まで1日で行われる。9時から開始式があり、9時10分から1回戦が始まる予定。

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編集部◎中野恵太 写真◎上野弘明

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