19歳シンネルが決勝に進出した大会史上4人目のティーンエイジャーに [マイアミ・オープン]
19歳のシンネルはアンドレ・アガシ(アメリカ)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)に続きマイアミの男子シングルス決勝に至った4人目のティーンエイジャーとなった。
「確かに素晴らしいことだけど、だからといって何かを意味する訳じゃないよ。名声を得るための道程は長いんだ。ひとつの大会の1週間だけで判断できるものじゃないからね」とシンネルはレジェンドたちと肩を並べたことについてコメントした。
スキー競技でもジュニアのチャンピオンに輝いたことがあるシンネルは、13歳のときにテニスを選んだ。彼がATPマスターズ1000の大会の本戦でプレーするのは今回が3度目に過ぎず、昨年9月のローマで16強入りしたのがこれまでの最高成績だった。
ひょろりとした体格のシンネルは昨年の出だしは78位だったが、そこからランキングを飛躍的に上げてきた。昨年9月のフレンチ・オープンで準々決勝に進出することでセンセーションを巻き起こした彼は、大会後に発表されるATPランキングで少なくとも自己最高を更新する23位に浮上することが確実となった。
「彼はすべてを持っているよ。サービスは強力で背が高いのに動きもいいし、非常に優れたグラウンドストロークを持っている。メンタル的にも素晴らしく、日々上達している。彼の未来は明るいよ」とバウティスタ アグートはシンネルを絶賛した。
ふたりの対戦は対照的なプレースタイルのぶつかり合いでもあり、シンネルのパワフルなグラウンドストロークが次第にバウティスタ アグートの鉄壁の守備を打ち崩していった。
第2セット3-3で0-40とブレークポイントを迎えたバウティスタ アグートはライン際のショットを見送ったが、それがギリギリでラインにかかってシンネルのポイントになった。そこから挽回してキープしたシンネルは、5-4からブレークを果たして最終セットに持ち込んだ。
「あのボールはアウトになると思ったんだ。ところがほんの数ミリくらいラインにかかっていた…。テニスはときにクレイジーだ。そうだろう? ひとつのボールが試合に大きな違いを生み出すことがあるんだからね」とバウティスタ アグートは振り返った。
最終セットで先にブレークを許して劣勢に立たされたシンネルはふたたび挽回し、最後は強烈なグラウンドストロークを叩き込んで1ポイントも与えずブレークして勝利を確定させた。
北イタリアでレストランを営む両親――父が料理人で母が給仕係――から譲り受けた印象的なまでに落ち着いた物腰のシンネルは、控えめに拳を突き上げる仕草で勝利を祝った。
「父と母は毎日、シンプルな仕事をしているんだ。彼らは地道に努力することの意味をよく理解しているんだよ」と彼は話した。
ジョコビッチ、ナダル、ロジャー・フェデラー(スイス)の『ビッグ3』が大会をスキップしたことにより、勝ち残った選手たちにとっては大きなチャンスとなった。準決勝に勝ち進んだ4人の中で、マスターズ大会で4強入りしたことがあったのはバウティスタ アグートだけだった。
「多くの選手たち、特にビッグ3がここに来ていないことはもちろん知っていたよ。僕には素晴らしいチームが付いており、この大会でもずっと先に進むことを目指して備えてきたんだ」とシンネルは語った。
シンネルが決勝で対戦する相手は、第26シードのホベルト・ホルカシュ(ポーランド)に決まった。ホルカシュはナイトセッションで行われた準決勝で、第4シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を6-3 6-4で下した。
1月にデルレイビーチでツアー2勝目を挙げたホルカシュは、今季のフロリダでの戦績を9勝0敗とした。前のラウンドで第2シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を倒していたホルカシュは、同じ大会で初めて2人のトップ10プレーヤーを打ち破った。
ホルカシュとシンネルはダブルスを組むこともあるよき友人同士だが、公式戦で対戦するのは今回が初めてとなる。(APライター◎スティーブン・ワイン/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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