「アマゾンマネーはどこへ行った?」チチパスとの大一番が無観客試合で不満のメドベージェフ [フレンチ・オープン]
「大会で優勝できないといつも残念だ。しかし、ここに来る前、最初に到着してから凄く調子がよかったから、いい結果を残せると思っていた。もし準々決勝でチチパスとの難しい試合で負けると事前に知らされていても、サインしていただろう。大会序盤は第1セット0-4ダウンということもあった訳だから。素晴らしい大会だった。最後のポイントまで戦った」
自分で最後のポイントと言ったところで思い出したように語り始めた。
「最後のポイントとなったアンダーサーブは、終わろうと思って打った訳じゃない。彼がかなり後ろで構えているから、試合の重要な場面で驚かせてやろうと思っていた。彼のほうがずっと優性だったしね。でもうまくいかず、簡単に試合を終わらせるチャンスを与えてしまった。戦術的な選択でミスだったとは思わない」
セットポイントでドロップショットが決まらなかったのが大きかったという。
「重要なポイントで不運もあった。でもそれがテニス、特にクレーコートではよくあることだ。ブレークポイントも取れず、彼のほうが上回っていた。テニスはときに、数ポイントで展開が大きく変わる。だから、6-5でセットを取れなかったのは大きな失望だ。あのときドロップショットを打って彼は動きもしなかったが、数インチでミスしてしまった」
チチパスとの対戦はこれから多くなるだろうと予想している。
「しっかり戦ったしアジャストしようとしたが、特に戦術面で相手のほうが完全に上だった。素晴らしい試合だった。不運だ。自分が35歳になってチチパスが33歳になったときに、2人の通算対戦成績を見るのが楽しみだね」
試合中、コート裏で働いているスタッフに静かにしてほしいと訴えるメドベージェフ(Getty Images)
ナイトセッションでの無観客試合に失望し、運営サイドへの不満をぶちまけた。
「もちろん無観客試合は100%残念だったよ。僕らの試合は注目の一戦だったはずだが、ロラン・ギャロスは地元の観客ではなくアメリカにいるアマゾンの人々を優先したのだろう。シンプルなことさ。スポンサーがいるおかげで僕らは賞金をもらえるから、ありがたいこと。だが、ロラン・ギャロスには試合を見たい人がたくさんいたはずだ。アマゾンの人たちはこの試合をどのくらい見たいと思っているのか、分からないけどね。今年、アマゾンがスポンサーに加わったと聞いている。でも、賞金が15%ダウンになった。アマゾンマネーはどこへいったんだ?」
選手同士の因縁は何もないという。
「ビッグ3の影響でテニスは凄く保守的でスマートなスポーツだと思われている。僕らはこのダイナミックさを継続させることを義務付けられているようなものだ。さもなければメディアや人々によって破壊されるだろう。他のスポーツでは少し雰囲気を盛り上げるため、試合前に相手を挑発したりするするけど、実際はお互いを嫌っていないこともある。テニスはそういうものじゃないんだ。今後、チチパスと言い争うことなどないだろう。周囲は、すべてのことをもっと楽しめればいいのにと残念に思う」
オーストラリアン・オープンの準決勝ではメドベージェフの圧勝だったが、今回はまったく逆の結果になった。
「大きな違いはサーフェス。でも自分がクレーコートではダメという意味じゃない。彼はたっぷりスピンをかけて打つおかげでベースラインの近くに立つことができるし、クレーコートでもショットが効果的だ。ハードコートでなら、それらのショットをもっと早く打ち返して彼の時間を奪うことができる。今日もそれを試みたが簡単ではなかった」
チチパスのレベルの高さに驚いた。
「第1セットの彼のプレーには驚いた。あれほど高いレベルのプレーを見せると思わなかった。自分だってアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)、トミー・ポール(アメリカ)、クリスチャン・ガリン(チリ)など強い選手を倒して勝ち上がってきたのに…。間違いなくステファノスは彼ら以上のラリー力を持っていて、自分は必要以上にアグレッシブにならざるを得なかった。今日、いいプレーもたくさんあったけど、勝つには不十分だった。それだけさ」(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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