1年遅れでの開催となる世界的なスポーツの祭典「東京オリンピック2020テニス競技」（東京都江東区・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート／7月24日～8月1日／ハードコート）の男子シングルス準決勝がセンターコートで行われ、第4シードのアレクサンダー・ズベレフ（ドイツ）が第1シードのノバク・ジョコビッチ（セルビア）を1-6 6-3 6-1で倒して決勝に進出した。

 　試合直後、ネットを挟んでジョコビッチにどんな言葉をかけたのか。

 「彼こそが史上最高の選手だと伝えた。間違いなく、今後なるはずだ。彼が新たな歴史を塗り替えようとしていたのは知っている。ゴールデンスラム、金メダルを狙っていた。もちろん、勝ったことはうれしいけど、ノバクが今どんな気持ちなのかもよく分かるつもりだ」

　第1セットを1-6で落としたあとにどのように形勢を逆転したのか。

「最初は彼の望む展開に付き合ってしまった。長いラリーが多かったから、それを変えなければならなかった。思いきってラケットを振り抜くようにした」

　ゴールデンスラムを阻止したことについて。

「ノバクには申し訳ない気持ちだ。でも彼はグランドスラムを20回、マスターズも36タイトル獲っている。すべてを手にすることはできない。彼はオールタイムグレーテストだ。グランドスラム最多優勝回数も塗り替えるだろう。そんな相手に勝って決勝にいけることはうれしい」

　今の気持ち。

「ドイツに、自分の家にメダルを持ち帰れることは素晴らしい気持ちだ。現在世界最高の選手を倒すのは最高の気分だ。彼は今大会無敵の強さを誇っていた。だからこそうれしい。でも、まだあと1試合残っている」

　勝利へのカギは何だったのか。

「セットを落としたから、何かを変えなければならなかった。よりアグレッシブに戦い、ラケットを振り抜いて試合を支配しようとした」

　決勝進出の心境。

「自分一人だけのためではなく、ドイツ全体、ここにいるチームの人たち、応援してくれるすべての人のために戦っているんだ。このオリンピックには多くのドイツ代表選手たちが出場しており、皆がお互いを応援している。この勝利は自分自身にとっても大きなものだが、他の選手たちも喜んでくれていると思う」

　ズベレフは決勝で金メダルを懸けて、第12シードのカレン・ハチャノフ（ロシア）と対戦する。（テニスマガジン）