地元・長野の松商学園が準決勝進出、四日市商(三重)、岡山学芸館(岡山)、第一薬科大付(福岡)と頂点を争う [北信越インターハイ]

宮原千佳②(第一薬科大付)写真◎菅原 淳



 第78回全国高等学校対抗テニス大会および第111回全国高等学校テニス選手権(北信越インターハイ テニス競技/8月2~4日 団体戦、8月5~8日 個人戦/浅間温泉庭球公園、やまびこドーム、信州スカイパーク庭球場/砂入り人工芝コート)の2日目は男女団体3回戦と準々決勝が行われ、それぞれベスト4が決まった。

 女子団体準決勝の顔合わせは、四日市商業(三重)対第一薬科大学付属(福岡)、松商学園(長野)対岡山学芸館(岡山)となった。第一薬科大付を除く3校は春の全国センバツのベスト4で、その結果がベースとなって付いた上位シードを守り、ふたたび頂点争いに名乗りを挙げた。全国大会優勝を目指す各校は、ベスト4入りも通過点と考えている。2日目の戦いを振り返る。

 センバツは単3+複2=5本で争い、インターハイは単2+複1=3ポイントで争う。

  ◇  ◇

 センバツ優勝校で、さらに今回のベスト4のうち唯一インターハイの優勝経験がある四日市商。3回戦で、関東大会2位で神奈川の単複トップ3を占める白鵬女子を2勝0敗で退けた。白鵬の清水奎吾監督は、負けたことはもちろん悔しいとしながらも、学んだことのほうが大きいと前を向く。「ブレークポイントを握ったときもあった。そのとき(四日市商は)ここというときに勝負をしてくる、しっかり入れてくる。それに対して(白鵬は)ここというときにミスをした。その差を自分も感じたし選手も感じたはず」。


内島舞子③(左)/石川和奏③(白鵬女子)

 準々決勝で四日市商は、同じ東海地区の静岡市立(静岡)と対戦。この対戦は全国センバツ準々決勝の再現だった。静岡市立は前回、1勝3敗で敗れ、その後、東海大会でも顔を合わせたが連敗に終わった。「力の差を痛感した」キャプテンの貞岡実空をはじめメンバーたちは、全国の頂点に立つ四日市商と「自分たちは何が違うのかミーティングを重ねて」、出した答えが、「個々が自分を見つめ直し、人として成長するよう努力すること」だったという。そこから全国優勝を目指し練習を重ねてきた。


稲葉梨莉③(左)/貞方実空③(静岡市立)

 ふたたび掴んだ四日市商との対戦で、静岡市立はS1のエース対決で櫻田しずかが奮闘した。センバツ団体戦に加え、個人戦でも優勝している五十嵐唯愛を相手に集中して立ち向かった。五十嵐は最初のうちタイミングが合わず、ミスが多くなり、櫻田が4-1、5-3とリード。だが五十嵐はスコアを追いかけながらプレーを修正していき、結局それ以上櫻田にゲームを与えることはなかった。近づいたかと思えば離れていく四日市商の背中。ただ、この切磋琢磨が両校をさらに地域を強くしていくことは間違いない。


ベスト4の中でインターハイの優勝経験があるのは四日市商だけ

 四日市商は絶対的エース五十嵐と、丸山愛以、小畑莉音、久保結希凪の3年生3人でダブルスを戦う。ダブルスは初戦(2回戦)が8-1、3回戦が8-4、準々決勝が8-2と勝って、ここまで隙を見せていない。そこに、まだ丸一試合を戦っていない1年生の高山揺が控える。この布陣で2017年以来、2度目のインターハイ優勝、そして創部以来初の春夏連覇を目指す。

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 第一薬科大付は2018年に創部したばかりで、今年初めて全学年を揃えインターハイに初出場してベスト4まで駒を進めてきた。初日の2回戦で目黒日本大学(東京)に圧勝、3回戦で東京学館船橋(千葉)を接戦の末に破って、関東勢を続けて退けた。S1宮原千佳は、学館船橋の早重果波との試合で8-9(4)で敗れたが、そこで見せた“勝負魂”が強いインパクトを残した。ゲームカウント6-7、相手にあったマッチポイントを5度しのいで、3度目のアドバンテージをものにし、長く戦い続けた。一緒に戦う仲間にとってそれはとても心強い。

 準々決勝で沖縄尚学(沖縄)と戦ったときも、宮原は沖尚の倉岡彩夏とS1対決をしつこく戦った。その横でD大坪花/住吉凛が、さらにS2小林杏菜が試合を決めていった。自信を持っていたダブルスに勝利できなかったことについて沖尚の平和己監督は「得意なプレーを封じ込めにきて、崩壊させられた」と表現。第一薬科大付は準備周到に、戦略的にプレーしてきて、それに対応できなかったと言った。


倉岡彩夏③(沖縄尚学)

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 松商学園は、2012年インターハイ準優勝の壁を本気で超えようとしている。今回実現すると、1988年に兵庫インターハイで兵庫代表の園田学園が優勝を飾って以来、33年ぶりの地元高校優勝というダブルの喜びが待っているのだ。


(ダブルス)山﨑さくら(松商学園/奥)と対上林真奈(相生学院)

 松商は近畿の上位2校、浪速(大阪)と相生学院(兵庫)を連続で破ってベスト4に進出。両対戦ともDとS1のみ、というそれが今の松商の実力を証明しているといえる。近畿勢といえばダブルスに強い、というのがこれまで。だが、浪速も相生もダブルスを6-8で落とした。相生学院の丸尾監督は、「ダブルスの強化が必要。積み上げたものがいつでも出せるような」と課題を口にした。松商のD渡邊望乃と山﨑さくらの3年生と2年生のペアにそれを見たのだろうか。ふたりも3試合をプレーして無敗。自信を増している。

 そこにさらに松商のS1中山友里が凄みを増してきた。必ず優勝する!という思いは誰よりも強く見え、全身から溢れている。相手はそれにのみ込まれたりしないだろうか。

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 岡山学芸館は今年初めてセンバツの決勝を戦い、四日市商に敗れ準優勝となった。その力をもって、このインターハイは2017年に記録したベスト4を超えて優勝を目指している。3回戦で慶風(和歌山)、準々決勝で浦和麗明(埼玉)をそれぞれ2勝0敗で圧倒。浦和麗明は関東大会優勝校であり、ベスト8に勝ち残った唯一の関東勢だった。浦和麗明の右川史子監督は、「対戦できたことに感謝」と言った。ダブルスを戦ったときに「6-5でうちは引いてしまった。相手は5-6から上がってきた。負けて悔しいというより勉強になったと言いたい」と感謝の言葉を重ねた。

 岡山学芸館のキャプテン中島玲亜は「必ず日本一になる」とコメントを寄せた。「センバツ準優勝の悔しさを胸に取り組んできた。力強い、攻撃的なテニスで頂点を目指す」。鍵はダブルスにあると考えている。同前華伶来/原田遥の3年生と2年生のペアは松商学園同様、ここまで3試合をプレーして負け知らず。ダブルスで先勝し、シングルスで勝負強さを発揮する。両校は似た状況にあり、接戦を予感させる。


岡山学芸館(岡山)

 大会3日目の8月4日は、男女とも団体戦の準決勝、決勝が浅間温泉庭球公園で行われる。準決勝から試合方法は3セットマッチ(最終セットは10ポイントのマッチタイブレーク方式)の戦いとなり、勝敗が決定した時点で打ち切られる。準決勝の試合開始時間は9時の予定。

編集部◎青木和子 写真◎菅原 淳、BBM

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