2021-08-29

ジュニア

三好健太が第1シードの原﨑朝陽に大逆転勝利、高校センバツ個人戦チャンピオン田中佑との決勝へ [2021全日本ジュニアU18]

写真は三好健太(関東/桜田倶楽部)(撮影◎牛島寿人 / HISATO USHIJIMA)


 公益財団法人日本テニス協会(JTA)などが主催する「DUNLOP全日本ジュニアテニス選手権'21 supported by NISSHINBO」(大阪府大阪市・ITC靱テニスセンター、江坂テニスセンター/8月23~30日/ハードコート)の大会7日目は昨日まで江坂会場で戦っていた14歳以下と12歳以下も靭会場に移り、全年代男女の単複準決勝が行われた。

 18歳以下の男子シングルスでは第3シードの三好健太(関東/桜田倶楽部)が第1シードの原﨑朝陽(関西/ノアTA垂水)に0-6 6-4 7-5で逆転勝ちをおさめ、高校センバツ個人戦チャンピオンでインターハイ準優勝の田中佑(関東/湘南工科大学附属高)はインターハイ準決勝で破った石川真輝(関東/東海大学菅生高)を6-2 6-7(3) 6-1でふたたび退けた。

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 期待に反してあまりに一方的な展開となっていたセンターコートの第1試合はその後、期待通りの接戦へと一気に流れが変わった。

 原﨑が全中を制した2019年、1学年上の三好は15歳以下の全国選抜ジュニア(中牟田杯)で優勝している。直接対決としては一昨年の全日本ジュニア選抜室内(JOCカップ)と昨年のリポビタン国際ジュニアがあり、いずれもフルセットで三好が勝利した。

 こうしたデータからも好試合が期待されたが、立ち上がりから原﨑が第2セットの第3ゲームまで9ゲームを連取。さらに第4ゲームでもブレークポイントを握っていた。しかし、「そこを何とかキープできたのが大きかった」と三好。「ワンブレークで止めることができて、気持ち的に少し余裕ができた。まだチャンスはあると思えたところでブレークできて、僕のリズムに持っていけたという感じです」と振り返った。

 三好がこのセットを6-4で奪い返すと、最終セットは互いにワンブレークで迎えた終盤で5-5からブレークに成功。常に追う展開で粘りを見せ、最後に勝利をたぐり寄せた。

 決勝戦は、インターハイ準決勝の再戦をふたたび制した田中との対戦となる。好調な立ち上がりで4ゲームを連取した田中は第1セットを6-2とあっさり奪ったが、第2セットはタイブレークを失う。気温35度近い炎天下で気力を保つのは、追いつかれた側のほうが難しいだろう。しかし、休憩を挟んだあとの最終セットで立て直したのはさすが。それ以上の接戦には持ち込ませず、6-1で締めくくった。

 今年はセンバツ優勝、そしてインターハイ準優勝と高体連の大会では誰よりも好成績を挙げている田中。一方の三好はそれらの大会に出場せず、コロナ禍でも今年は北マケドニアやモンテネグロなど東ヨーロッパでのITF大会を転戦してきた。6月にはモンテネグロのグレード5大会で優勝も遂げている。国内ではこの全日本ジュニアのみに狙いを定めてきた戦略の行方はいかに。楽しみな決勝カードになった。(ライター◎山口奈緒美)

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撮影◎牛島寿人 / HISATO USHIJIMA

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