「勝つ自信はあったけど、彼女のプレーには驚いた」2回戦でアニシモワとの熱戦を制したプリスコバ [USオープン]

2回戦でアマンダ・アニシモワ(アメリカ)を振りきったカロリーナ・プリスコバ(チェコ)(Getty Images)


 今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の女子シングルス2回戦で、アマンダ・アニシモワ(アメリカ)に7-5 6-7(5) 7-6(7)で勝利した第4シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)が熱戦を振り返った。

「最初から質の高い試合だった。第1セットはわずかなチャンスしかなかった。試合全体でもブレークは一度だけ。女子の選手でこんなことは珍しく、物凄いこと。自分がもっといいプレーができたはず。相手が素晴らしく、スピードも凄かった。自分が何もできないポイントが何度もあった。サービスはどちらもよかった。第3セットの最後はちょっとラッキーもあった」

 第3セットはチャンスがなく、イライラしたのではないか?

「少しイライラしたかもしれない。それと同時に、サービスキープは簡単にできていたから気持ち的にはリラックスできていた。自分のサービスのほうが相手よりもよかったと思うけど、相手のサービスゲームをブレークするチャンスもなかった。自分がリターンをミスしていただけでなく、彼女がボディ、ワイドと上手く打ち分けていたから、ほとんどコースを予測できなかった。彼女はとてもスマートにプレーしていた。もしリターンを上手くできていたとしても、彼女はベースラインでのストローク、特に武器であるバックハンドが素晴らしかったから難しかったと思う。凄くいいプレーをしていた。彼女のサービスゲームでほとんどチャンスがなかったことには少しイライラしたかもしれない。モントリオールで対戦したときはもっとチャンスがあったから。それだけ彼女がこの試合でいいプレーをしていたということ」

 最終セットのタイブレークで1-4とリードされてから、相手のフォアハンドを攻めるように戦略を変えたように見えた。

「いいえ。でも6-5で簡単なフォアハンドをオープンコートに決めればいい場面でミスをした。サービスがよかったから、自分のサービスゲームで試合を終わらせる大きなチャンスがあったのに生かせなかった。第2セットのタイブレークを落としていたから、最終セットも難しいだろうと思った。彼女は勢いに乗っていた。タイブレークではウィナーを連発していた。だから、“1ポイントずつ”と自分に言い聞かせた。3-5のとき、もう1ポイント取れれば自分のサービスに戻れると考えていた。彼女のバックハンドは脅威でミスも少なかった。バックハンドでプレッシャーをかけてきた。特にクロスが強烈だった。バックハンドに速いショットで攻めても、彼女はスピードをまったく苦にしていなかった。それならフォアハンドへのショットを増やして彼女を動かそうと思った。同じコーナーへのショットが多すぎたと思う。うまくいってラッキーだった。でも、本当に凄くラッキーだった」

 この勝利で満足している点は?

「どんなに悪い状況でも粘り強く戦えたこと。かなり苦しかった。傍から見たら面白い試合だったかもしれないし、観客は楽しんでくれたけど、自分の気持ちはいいものではなかった。サービスがよかったから、とにかく食らいつこうとした。観客も予想以上に静かだから、少し難しかった。あのような雰囲気は初めてではないし、その影響で気持ちが落ちた訳でもない。リードされているときは特にそう感じてしまう。第2セットであと2ポイントで勝てるところから最終セットに持ち込まれたのはかなり精神的にきつかった。それでも粘り続けて、自分のサービスを変なミスで落とすことがなかったのはよかった。粘ったら、最後に報われた」

 女子ではサービスエース数(24本)の大会記録だった。

「本当に? 彼女のサービスも凄かった。自分のサービスがよくなければ、今日は勝てなかった。自分のサービスで相手にプレッシャーをかけられたから、相手もいいサービスを打ち続けるしかなかったと思う。お互いサービスで押し合った感じかな。第1セットにブレークがあったけど、それ以降は一度もなかった。最後のゲームでブレークポイントがあったけど、リターンゲームではお互いほぼチャンスがなかった。女子の試合ではブレークが結構多いものから、今日の試合は凄いと思う。サービスが今日の勝利の大きな部分を占めた」

 今年好調な要因として経験がどの程度重要になっているのか。

「多くのブレークポイントやチャンスがある試合もあれば、わずかなチャンスしかなく、その少ないチャンスをものにしなければ勝てない試合もある。彼女のサービスゲームで自分にあったチャンスの数は気にせず、自分のサービスに集中した。タイブレークになれば、自分のサービスのほうがいいから大丈夫だろうと。それが第2セットは上手くいかなかったけど、第3セットではラッキーなことに上手くいった。今日の試合はそんなマインドセットで戦った」

 今日のように素晴らしいアマンダを過去に見たことがあるか。

「いや、見たことがない。過去の対戦の中でも今日が最高だったと思う。これまで素晴らしい勝利を挙げてきたのは知っている。特にハードコートが得意なのを知っている。彼女にとっては本当にいい試合だったと思う。アグレッシブで最高のショットを繰り出した。いい感触でプレ―していたんじゃないかと思う。彼女も勝利に値したから、勝てたのは本当にラッキー。素晴らしいプレーをしていた。彼女は素晴らしい選手。過去に3回倒しているから、今日の試合も簡単だろうと思ってコートに立った訳じゃない。勝てる自信はあったけど、彼女が最後まで素晴らしいレベルのプレーを維持していたのは驚きだった。いつもの彼女なら、ミスが増える時間帯があるのに、今日はそれがまったくなかった」

 プリスコバは3回戦でアイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)と対戦する。(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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