フェデラーがミルマンに5セットの末に辛くも勝利「記者会見の準備していたよ」 [オーストラリアン・オープン]

今年最初のグランドスラム「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・メルボルン/本戦1月20日~2月2日/ハードコート)の大会5日目、男子シングルス3回戦。
 
 窮地に立たされたロジャー・フェデラー(スイス)は、「ああ、“またも”か」と考えたとしても許されていただろう。敗戦まであと2ポイントと迫ったとき、彼の頭はすでに“どのように負けたか”を分析する方向に流れ始めていた。

 ジョン・ミルマン(オーストラリア)がこれ以前のふたりの唯一のグランドスラム大会での対戦だったUSオープンの試合でフェデラーに競り勝った日から約1年半が経ったこの日、世界ランク47位のミルマンは20度グランドスラム大会を制した男にできるすべてを捧げた。しかしながら今回は、フェデラーが勝利をつかみ取った。彼は最終セットのスーパータイブレークで大きくリードされながら最後の6ポイントをつかんで巻き返し、ミルマンを4-6 7-6(2) 6-4 4-6 7-6(10-8)で倒して4回戦に駒を進めたのである。

「ああ神よ、すごくタフだった」とフェデラーは言った。

 流れが行き来する非常に見ごたえあるこの試合は4時間以上続き、金曜日に始まって土曜日のほぼ午前1時近くに終わった。第5セットの10ポイント先取のタイブレークでは、ポイントごとに観客席から大きな歓声が上がった。

 最後のタイブレークで第3シードのフェデラーは一時4-8とリードされていたが、そこから挽回して5セットの試合での連敗を「3」で断ち切った。

「僕は最後、絶壁に立たされていた。おそらくちょっとした運もあったことだろう。高い集中力を保たなければならなかった」とフェデラーは振り返った。「彼は繰り返し、必要とされる結果を出し続けていた…。僕は記者会見で説明する準備をし始めていたよ」。

 2018年USオープン4回戦におけるミルマンの4セットの末の勝利のとき同様、この試合は湿度の高いコンディションの中で行われた。そしてそのとき同様、ミルマンは汗だくだった。

 第4セットを取ったあと、ミルマンは汗でぐっしょり濡れたソックスと靴を脱いで履き替えた。

 38歳のフェデラーがフォアハンドのランニングショットをアウトしてブレークされて最終セットで1-2と劣勢に立たされたとき、30歳のミルマンはベンチにドスンと腰を下ろしてバナナに食いついた。

 この日のフェデラーの最大の問題は、長いこと彼の成功を支えてきたフォアハンドだった。試合のかなりの部分でそのショットが彼を裏切り、彼は82本あったアンフォーストエラーのうち48本をフォアハンドから叩き出した。

 しかしその彼の武器は、マッチポイントで彼が必要としていた最後のウィナーを生み出した。そして勝利を決めたフェデラーは、右の人差し指を宙に向けた。

(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真はロジャー・フェデラー(スイス/左)とジョン・ミルマン(オーストラリア/右)
MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 24: Roger Federer of Switzerland shakes hands at the net after his five set victory in his Men's Singles third round match against John Millman of Australia on day five of the 2020 Australian Open at Melbourne Park on January 24, 2020 in Melbourne, Australia. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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