メドベージェフがフルカチュに競り勝ちタイトル防衛に向けた挑戦をスタート [Nitto ATPファイナルズ]
男子トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(ATPファイナルズ/イタリア・トリノ/11月14~21日/室内ハードコート)が開幕し、シングルスのオープニングマッチで第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)が強力なサービスと安定したベースラインプレーを駆使して第8シードのホベルト・フルカチュ(ポーランド)に6-7(5) 6-3 6-4で競り勝った。
ディフェンディング・チャンピオンでUSオープン優勝者のメドベージェフは試合を通して15本のサービスエースを決め、今年のウインブルドンで5セットの末に敗れた相手であるフルカチュに対して一度もブレークポイントを与えなかった。
自分のサービスの出来について、メドベージェフは「ツアーで経験した中で最速」と呼んだコンディションに起因していると考えていた。
「サーフェスは恐らくロンドンとまったく同じだから、それが直接の原因だとは思わない。ここは空気が乾燥しているから、そのような状況と組み合わさった結果なんだろうね。ボール自体も速いけど、空中を凄く速く飛んでいると思うよ。それとコートだね」とメドベージェフは前回までの開催地に言及して私見を述べた。
過去12年に渡ってイギリス・ロンドンで行われていたATPファイナルズは、今年からイタリア・トリノに場所を移した。
「リターンに優れた選手に対していながら、僕は自分のサービスゲームでほとんどプレッシャーを受けなかった。そして同じことは僕にも言えた。ブレークポイントを手にできたのは2ゲームしかなかったからね」
この試合ではお互いにサービスゲームが安定していたため第1セットではどちらにもブレークポイントがなく、タイブレークではフルカチュのネットプレーが違いを生み出した。
第2セットは出だしで初のブレークに成功したメドベージェフがそのリードを守ってセットオールに追いつき、第3セットでも巧妙な組み立てでフルカチュを消耗させたメドベージェフがふたたび相手のサービスゲームを破った。
「ダニールは驚くべき選手だ。彼は試合を通して素晴らしいテニスをプレーしていた。彼のプレーには調子の下降がない。だからこそ彼は非常に厳しい対戦相手なんだよ」と大会デビュー戦をプレーしたフルカチュはコメントした。
イブニングセッションでは第6シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)が第2セット序盤に左脇腹の負傷により棄権したため、第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が試合を最後まで完了することなく勝利を手にした。
昨年もケガにより勢いを削がれたベレッティーニは、「(ケガが)何だかはわからない。それほど深刻なものでないよう祈っているけど、プレーを続けることは不可能だった」と説明した。
もし今後の状況次第でベレッティーニがプレー不可能となった場合、残り試合で代役を務めるのは同じく地元選手のヤニク・シナー(イタリア)となる。
この結果でズベレフは、レッド・グループのラウンドロビン(グループ内総当り戦)でメドベージェフを凌いで暫定首位に立った。
グリーン・グループでは月曜日のアフタヌーンセッションで第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第8シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)との初戦で大会を初め、イブニングセッションでは第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)と第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)が対戦する予定になっている。
ATPファイナルズはATPツアー最終戦で、今季の成績上位8名(ダブルスは8組)のみで争われる。4人ずつのグループに分かれたラウンドロビンを行い、上位2名(ダブルスは2組)ずつが決勝トーナメントに進出する形式で行われる。(C)AP(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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