女子テニス選手ペン・シューアイの問題について中国は「知らない」と主張

写真は2020年オーストラリアン・オープンでのペン・シューアイ(中国)(Getty Images)


 中国の外務省は金曜日、元政府高官に性的暴行を受けたと告発したあとに行方不明となった女子テニス選手のペン・シューアイ(中国)に関する騒ぎについて「知らなかった」という主張に固執した。

 外務省報道官のジャオ・リージェン氏は記者たちに対し、この問題は「外交上の問題ではないし、私はその状況について知らない」と答えた。

 35歳のペンが2週間以上前にこの告発をして以来、同省は一貫してこの問題について何も知らないと主張してきた。

 ダブルス元世界ランク1位のペンは女子ダブルスで2013年ウインブルドンと14年フレンチ・オープンを含むツアー23勝を挙げ、シングルスでは2014年USオープンで準決勝に進出した。彼女は過去に3度(2008年北京、2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロ)オリンピックに出場しており、北京が2月4日から始まる冬季オリンピックを開催しようとしている事実が彼女の失踪をより際立たせることになった。

 アメリカのホワイトハウス報道官であるジェン・サキ氏は金曜日、中国当局は「彼女の居場所と彼女が安全であるということを証明する独立した検証可能な証拠を提供すべきだ」と発言した。

 ジュネーブの国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のリズ・スロッセル氏は同日、「性的暴行の申し立てについて完全に透明性のある調査」を求めていると語った。

「そしてそれは、すべての性的暴行の申し立てでそうあるべきだと言えることだと思います。犠牲者に正義を保証するために、説明責任を確実にするというのは本当に重要なことです」と彼女はコメントした。

 国際オリンピック委員会(IOC)はコメントを控え、電子メールを介した声明文の中で「静かな外交がそのような性質の質問に対する解決策を見つける最良の機会を提供することを経験が示している。それがIOCがこの段階でこれ以上コメントしない理由を説明している」と述べた。

 ペンの状況について懸念を表明しているテニススターのひとりである世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、この問題が解決されない限り中国での大会をキャンセルするという決定を支持すると話した。

 イタリア・トリノで開催中のATPファイナルズに出場しているジョコビッチは、「これは恐ろしいことだ。人ひとりが行方不明になっているんだ」とペンの問題について言及した。

「コミュニティ全体、テニスのコミュニティは彼女と彼女の家族をバックアップして何としても彼女が無事であるか否かを確かめなければならない。この状況を解決することなく中国の地で大会を行ったなら、やや奇妙なことになるからね」

 11月2日にSNSを更新したペンは、元副首相で中国共産党の政治局常任委員会のメンバーだったジャン・ガオリー(張高麗)氏が繰り返し拒否したにも関わらず肉体関係を強要したと告発した。この投稿は間もなく中国の主要ソーシャルメディアであるウェイボー(中国版ツイッター)から削除されたが、このショッキングな告発のスクリーンショットはインターネット上で出回って世界中で共有されることになった。

 WTA(女子テニス協会)の会長兼CEO(最高責任者)であるスティーブ・サイモン氏は、中国の国営メディアが今週に入ってペンから送られたされる電子メールだと主張して公開したコメントの信憑性に疑問を呈した。そのメール内でペンは、自分は安全であり暴行の申し立ては真実ではないと述べていた。そのコメントは、中国の国営放送のテレビ局『CCTV(中国中央電視台)』の国際部門であるCGTNによってツイートされていた。

 中国政府を代表する国家評議会情報局は、ペンの現状とサイモン氏の疑念に対する電子メールを介しての質問に返答しなかった。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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