オーストラリアン・オープンが参加者全員にワクチン接種を義務化、ジョコビッチは「少し待って様子を見てみる」

写真はATPファイナルズ準決勝敗退後にコートをあとにするノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 オーストラリアン・オープンの運営責任者であるクレイグ・タイリー氏が、2022年の大会に参加する者は選手も含む全員が新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンを完全に接種していなければならないということを確認した。これに対して世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、オーストラリアン・オープンでプレーするか否かについて「待って様子を見てみる」必要があると態度を保留した。

 2月に自身の持つ最多記録を更新する9度目のオーストラリアン・オープン制覇を果たしたジョコビッチは、自分がワクチンを接種を済ませているのか或いは接種するつもりがあるのかについて明言することを拒否した。

「まあ様子を見てみよう。少し待って、様子を見る必要がある」とジョコビッチは今季のATPツアー最後の試合となったATPファイナルズ準決勝でアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に敗れたあとにコメントした。

「正直なところ、僕はまだ彼らと話していなんだ。僕はとにかく、どのようになるのかニュースが出るのを待っていたんだ。今それを知った訳だが、様子を見てみなければならないよ」

 もしジョコビッチがオーストラリアに行くのなら、グランドスラム獲得タイトル数「20」で並んでいるロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)を追い抜くチャンスを得ることができる。

 2022年大会は1月17日から30日に行われる予定になっており、開催地のメルボルン・パークがあるビクトリア州の政府はワクチン接種を受けた人だけが会場に入ることができると明言していた。そして大会ディレクターのタイリー氏は土曜日、公式発表の場でそのことを認めた。

「ファンもスタッフもプレーヤーも、大会会場に入る全員がワクチンを接種している必要があります。ノバクの立ち位置について多くの憶測が飛び交っていますが、それは私的な問題だと彼は言っています」とタイリー氏は話した。

「我々は是非ともここでノバクに再会したいと思っていますが、彼はここでプレーするためにはワクチンを接種する必要があると知っています。彼はいつも、オーストラリアン・オープンは自分の調子を上げてくれる大会だと言っていました」

 世界3位のズベレフはジョコビッチのワクチン問題への対応はより尊重されるべきだと思うかと記者に尋ねられ、「これは政治的なことだから、非常に難しい問題だよ。結局のところ、僕は彼の基準を知らないからね」と答えた。

「でも僕らは他の国を訪ねている訳だよね。これはテニスに関わる話ではなく、現在進行中のウイルスに関わる話だろう? 結局のところ、国は僕らの入国を許可している。僕たちは規則とガイドラインに従う必要があるんだ」

 ズベレフはまたもしジョコビッチが出場しなければ「大会で優勝するのがより容易になる」だろうが、「彼は世界1位なのだから、そこにいるべきだ」とも語った。

「うまくいけばオーストラリア政府が例外を認めるか、彼が参加することができるようにするためにできることは何でもするんじゃないかな」

 その一方でジョコビッチは来週に開催されるデビスカップ・ファイナルズでセルビア代表チームのメンバーに入っており、予選ラウンドをオーストリアでプレーする予定になっている。オーストリアはロックダウンに入ることを発表したばかりで、感染者数が過去最高を記録したことでワクチン接種を義務づける方針を打ち出した。

 ロックダウン中に仕事でオーストリアを訪れる人々はあらかじめ登録する必要があり、ワクチンを接種していない場合またはごく最近に回復したばかりというような場合にはPCR検査で陰性だった証拠を提示しなければならない。

 ジョコビッチと彼の妻は昨年、パンデミックの最中に彼がセルビアとクロアチアでソーシャルディスタンスなどの処置を施すことなく運営したチャリティ大会でプレーしたあとウイルス検査で陽性と診断されていた。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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