ズベレフがまたもジョコビッチのビッグタイトルを阻んで決勝進出「彼は史上もっとも偉大な選手」 [Nitto ATPファイナルズ]

写真は準決勝を戦い終えたアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/左)とノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 男子トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(ATPファイナルズ/イタリア・トリノ/11月14~21日/室内ハードコート)の大会7日目のシングルスは決勝トーナメントの準決勝が行われ、レッド・グループから勝ち上がったダニール・メドベージェフ(ロシア)とアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)がチャンピオンの座をかけて対決することになった。

 アフタヌーンセッションで第2シードのメドベージェフが第8シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)を6-4 6-2で退け、イブニングセッションでは第3シードのズベレフが第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を7-6(4) 4-6 6-3で振りきった。

 ズベレフがまたも重要なトロフィーをかけてプレーするチャンスをジョコビッチから奪い去り、東京オリンピック準決勝に続きATPファイナルズの同じ段階で大きな勝利を手にした。

 この日のジョコビッチはベースラインで一連の彼らしくないミスを犯し、第3セット半ばでズベレフに勝負を分けるブレークを手渡してしまった。それからズレフは精神的に持ち堪えてブレークポイントをセーブすると、最初のマッチポイントでスライスサーブをセンターのTゾーンに打ち込んで試合を締めくくった。

「第3セットに非常に悪い1ゲームがあった。フォアハンドで3本とバックハンドでも1本、かなり簡単なポジションからアンフォーストエラーを犯してしまった」とジョコビッチは振り返った。

 しかしながら試合の傾向は、第1セットでズベレフが4-5からセットポイントをセーブしたあと辺りから定まっていった。そのあとのタイブレークでズベレフのチャレンジが成功し、結果的にジョコビッチがセカンドサーブを失敗してダブルフォールトとなった。それからジョコビッチがバックハンドで放ったドロップショットがネットに当たって弾み、時間ができたことでズベレフはそれに追いついて鋭い角度のついたフォアハンドのウィナーをクロスに決めた。

 タイブレーク5-4からズベレフはバックハンドのウィナーをオンラインに決めて長いラリーを締めくくり、それから最初のセットポイントでワイドに逃げていく強力なサービスを叩き込むとジョコビッチはそれを返球することができなかった。

「僕たちが対戦すると、試合は決まって非常にハイレベルなものになるんだ。今年は5回対戦したけど、どれも何時間も戦う非常にフィジカルなバトルだったよ」とズベレフは試合後にコメントした。

「彼は史上もっとも偉大な選手だ。そして人々はそのことをときどき忘れてしまっているんじゃないかと思う」とズベレフはジョコビッチに敬意を示した。ジョコビッチはグランドスラム大会シングルスの獲得タイトル数「20」を誇り、男子の最多記録をロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)の3人で分け合っている。

 同大会で6度目の優勝を目指していたジョコビッチは実現すればフェデラーの持つ最多記録に並ぶことができたが、少なくとも今年に達成することはできなかった。

 ATPファイナルズはATPツアー最終戦で、今季の成績上位8名(ダブルスは8組)のみで争われる。4人ずつのグループに分かれたラウンドロビンを行い、上位2名(ダブルスは2組)ずつが決勝トーナメントに進出する形式で行われる。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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