兄に促されて前へ、ズベレフが新しいアグレッシブな戦い方で男子トップ8の頂点に [Nitto ATPファイナルズ]

写真は兄のミーシャ・ズベレフ(ドイツ/左)から優勝トロフィーを受け取るアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)(Getty Images)


 男子トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」(ATPファイナルズ/イタリア・トリノ/11月14~21日/室内ハードコート)の男子シングルス決勝で、第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)を6-4 6-4で下して3年ぶりに王座を奪還した。

 大胆なスイングボレーのウィナー、サーブ&ボレー、最初のマッチポイントで決めたセカンドサーブでの外に逃げていくサービスエース…。世界ランク3位のズベレフは同2位のメドベージェフを圧倒した試合で新しいよりアグレッシブな戦い方を披露し、世界トップ2のプレーヤーを連続で打破して2度目の栄冠に輝いた。

 準決勝で世界1位ノバク・ジョコビッチ(セルビア)をフルセットで倒した翌日、ズベレフはそのテニスを新しい次元に引き上げた。

「あれがゲームプランだったんだ」とズベレフは試合後に明かした。

「彼(メドベージェフ)は世界でもっとも優れたベースラインプレーヤーのひとりだ。彼に対してはポイントの主導権を握る必要がある。今日の僕はそれをやってのけ、だからこそ僕にとって非常にいい形で機能したんだよ」

 それはジョコビッチが通常よりも頻繁にネットに出て攻撃し、メドベージェフに勝った今月初めのパリ・マスターズ決勝とよく似たアプローチだった。

「彼はもうかなり長きに渡って素晴らしいテニスをしてきたけど、今では非常に知的なテニスもしているよ」とズベレフの兄で同じくプロテニス選手のミーシャ・ズベレフ(ドイツ)はコメントした。ミーシャは父のアレクサンダー・ズベレフ シニアが不在のとき、弟のコーチを務めてきた。

 決勝が終わって弟がまだ観客の声援を浴びてファンたちのサインに応じている間、オンコートインタビューを受けた兄のミーシャは「彼のテニスは向上しつつある」と弟の成長について話した。

「彼がバックハンドのアプローチショットを打ってバックハンドのドロップボレーでポイントにとどめを刺したりサーブ&ボレーをするのを観たけど、本当に楽しかったよ」

 今では珍しい生粋のサーブ&ボレーヤーで2017年にキャリア最高の世界25位に至った兄のミーシャは、はっきりと弟にもっと前に出るよう促している。身長198cmという長身と長いリーチに恵まれた弟は、ネットでかなり威圧的な存在となり得るからだ。

「それが僕が彼に言ったことだ。『とにかくクリエイティブに、そして賢くプレーしろ。心と頭脳でプレーするんだ』とね」とミーシャは語った。

「彼がやっていたのはまさにそれだよ。彼はただしっかりしたテニスをしているだけではなく、大部分でクリエイティブなテニスをしていたね」

 ATPファイナルズはATPツアー最終戦で、今季の成績上位8名(ダブルスは8組)のみで争われる。4人ずつのグループに分かれたラウンドロビンを行い、上位2名(ダブルスは2組)ずつが決勝トーナメントに進出する形式で行われた。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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