ATPツアー公式戦の「マイアミ・オープン」（ATP1000／アメリカ・フロリダ州マイアミ／3月23日～4月3日／賞金総額955万4920ドル／ハードコート）の男子シングルス決勝で、第14シードのカルロス・アルカラス（スペイン）が第6シードのキャスパー・ルード（ノルウェー）を7-5 6-4で倒してキャリア最大のタイトルを獲得した。

　キャリア初のATPマスターズ1000大会の決勝を戦った18歳のアルカラスは、2月のリオデジャネイロに続くツアー3勝目を挙げた。彼はまた同大会37年の歴史で最年少の男子優勝者になると同時に、同種目で初のスペイン人チャンピオンにもなった。

　勝利を決めてコートに大の字になって喜びを表現した直ぐあと、「今の気持ちを言い表す言葉はない。ここマイアミで初めてマスターズ1000の大会で勝てたというのは本当に特別なことだ。僕には素晴らしいチームと家族が付いていてくれる。優勝できて本当にうれしいよ」と語った。

　コーチであるフアン カルロス・フェレロ（スペイン）は大会直前に家族に不幸があったため帯同していなかったが、決勝のために駆け付けて観客席から試合を見守っていた。

　逆境に負けず流れを引き寄せるアルカラスのメンタルは、この日も健在だった。彼はオープニングゲームをブレークされて一時1-4とリードされながら、そこからじりじりと本領を発揮して挽回劇を開始した。

　2-4から相手のサービスゲームを破って状況をタイに持ち込んだアルカラスは5-5からふたたびブレークして形勢を逆転させると、第1セットを7-5でもぎ取った。セット終盤はすべてのキープ、すべてのブレークが苦労の末のものだったが、アルカラスはドロップショットやネットプレーを効果的に織り交ぜて重要なポイントを獲得していった。

「キャスパーが凄いプレーをしていることはわかっていたよ。彼のフォアハンドは強力だからね。僕はまず彼のバックハンド側にボールを集め、常に攻撃するようにしていたんだ」とアルカラスは戦略について説明した。

「彼主導権を握らせないようにした。フォアとバックのダウン・ザ・ラインは、僕にとってかなり重要なカギだった」

　そのまま勢いに乗ったアルカラスは第2セットの立ち上がりで2回連続ブレークに成功したが、決して簡単に取れた訳でなかった。優れたディフェンス力とボレーの能力も見せたルードは十分に張り合い、抵抗した内容だった。ルードはひとつブレークを返して2-3と迫ったが残るワンブレーク差を最後まで巻き返すことはできず、第2セットを6-3で取ったアルカラスが勝者として浮上した。最後はサービスからネットに出たアルカラスがバックボレーを決め、試合に終止符が打たれた。

　アルカラスは勝利が決まるとコーチのフェレロとチームメンバーに駆け寄って抱擁し、それからまたコートに戻って熱狂する観客たちに向かって手を挙げた。

　同じく素晴らしい大会を送ったルードもまたマスターズ大会での決勝はこれが初めてだったが、ツアー決勝での戦績は7勝3敗となった。対するアルカラスはまだ10代ながら、ツアー決勝で3戦全勝とした。この勝利のおかげで彼は、週明けに更新される世界ランクでキャリア最高の11位に浮上することになった。

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