「厳しい戦いがしたい」アルカラスがマッチポイントを凌いでフルセットの2回戦に勝利 [フレンチ・オープン]
今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の男子シングルス2回戦で、第6シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が母国の先輩であるアルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)を死闘の末に6-1 6-7(7) 5-7 7-6(2) 6-4で倒してベスト32に進出した。
2セットを先取するかに見えていたアルカラスが第2セットと第3セットを競り合った末に落とし、逆にぎりぎりまで追い詰められることになったのは多くの人々にとって驚きだったことだろう。アルカラスは第4セット4-4からブレークされ、続く4-5からのレシーブゲームでマッチポイントに直面した。
しかしそこでメンタルの強さを発揮したアルカラスは最初の危機をラモス ビノラスのミスで凌いだあと、次のポイントでは相手の短いロブをグランドスマッシュで叩く度胸を見せてポイントをもぎ取りブレークバックに成功した。
タイブレークを制した勢いを最終セットに持ち込んだアルカラスが主導権を取り戻したかに見えたあともラモス ビノラスは一歩も引かず、ブレークの交わし合いで試合は最後までもつれたが、第9ゲームの驚くべきラリーがラモス ビノラスの息の根を止めた。
第5セット4-4で迎えた相手のサービスゲームでデュースからブレークポイントを握ったアルカラスはドロップショットを切り返されて体勢を崩したが、そこから相手が放った3本のオーバーヘッドをコートの端から端まで走って拾いまくり、最終的にラモス ビノラスがとどめを刺すはずのボレーをミスしてしまった。ボレーをネットにかけた瞬間、ラモス ビノラスは悔しさのあまりラケットを地面に叩きつけた。
そしてその数分後には、試合が終わっていた。死闘の末に満面の笑みを見せたアルカラスは、「素晴らしいバトルだった。僕らは最後のポイントまで戦った。今日のパフォーマンスには本当に満足している」とオンコートインタビューで最初の気持ちを吐露した。
合計74本という自身のアンフォーストエラーの多さにも起因した苦戦ではあったが、アルカラスは調子が最高でないながらも必要な瞬間にレベルを上げて勝利をもぎ取った。
「試合では常に少なからず緊張するものだけど、今日の僕はナーバスではなかったと思う。恐らく第4セットの終わりにマッチポイントに直面したときは、『敗戦まであと1ポイントだ』と思ったかもしれない。でも僕は、自分がロラン・ギャロスにいるということを考えないようにしていた。僕は戦いの瞬間を楽しもうとしていた。彼(ラモス ビノラス)のことはよく知っている。僕は彼を尊敬している。厳しい試合になることはわかっていた。挽回して最終的に彼を倒せたこと、自分のレベルをうれしく思う」とアルカラスは試合後の記者会見で話した。
「僕はまだ若いけど、今はもうかなり経験を積んだ。大きなスタジアムでビッグマッチをプレーすること、グランドスラム大会でプレーすることを心地よく感じている。フィジカル的にもメンタル的にも、僕は強い。僕にはこのような大会のこのような状況で、このような試合をプレーする準備ができていると思う」
アルカラスは次のラウンドで、リシャール・ガスケ(フランス)を7-6(5) 6-3 6-3で破って勝ち上がった第27シードのセバスチャン・コルダ(アメリカ)と対戦する。
コルダといえば、アルカラスが4月のモンテカルロ・マスターズで土をつけられた相手だ。しかし厳しいバトルを愛するという彼は、その挑戦に喜んで挑むという。彼はこの日の苦闘の中でも、その厳しい瞬間を楽しんだと話した。
「第4セットと第5セットで、僕は自分のチームに微笑みかけた。僕は戦いを楽しんでいるよ。僕は世界最高峰の選手たちと相対してビッグなバトル、厳しい戦いをしたいんだ」
写真◎Getty Images
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