世界205位ファン ライトフォヘンがメドベージェフを倒してツアー初優勝「夢のような1週間」 [ATPスヘルトーヘンボス]
ATPツアー公式戦の「リベマ・オープン」(ATP250/オランダ・北ブラバント州スヘルトーヘンボス/6月11~17日/賞金総額72万5540ユーロ/グラスコート)の男子シングルス決勝で世界ランク205位のティム・ファン ライトフォヘン(オランダ)が第1シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)を6-4 6-1で倒す番狂わせに成功し、ATPツアーでキャリア初のタイトルを獲得した。
25歳のファン ライトフォヘンにとってこれはツアー大会で2度目の本戦出場であり、もちろん決勝進出も初だった。しかし彼は熱狂的な母国の観客を前にナーバスになることもなく堂々と戦い、65分しかかけずに比較的すんなりと勝利をものにした。
「これは僕にとって新しい経験だ。慣れるには時間がかかるだろうね」とファン ライトフォヘンは試合後のオンコートインタビューで語った。彼はこの大会に先立ち、ツアーレベルで1勝も挙げたことがなかったのだ。
「この1週間は夢のようだった。今週を通して謙虚さを保ち、大騒ぎすることもなくいつも通りの仕事をしてくれた僕のチームに感謝している。また観客の皆さんにもお礼を言いたい。皆さんの応援は素晴らしかった」
ファン ライトフォヘンは決勝への道のりで予選勝者のマシュー・エブデン(オーストラリア)、インディアンウェルズ優勝者で第3シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)、ユーゴ・ガストン(フランス)、そして第2シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)といった強敵たちを破っていた。
公式戦では初となるメドベージェフ戦でファン ライトフォヘンは第2ゲームで早くも相手のサービスゲームを破ったが直ぐにブレークバックされ、その後はキープが続いて第1セットは拮抗した展開になったが、5-4からふたたびブレークに成功した。
これで勢いを掴んだファン ライトフォヘンは第2セットでいきなり5-0とリードし、5-1からのサービスゲームをラブゲームでキープして試合を終わらせた。
「ダニールに大きな敬意を払いたい。あなたは素晴らしい選手だ。あなたのプレーを何度もテレビで観てきて、実際に対戦できるということ自体が僕にとっては既に夢のようなことだったんだ。対戦できたのは素晴らしいことで、同じコートに立つことができて光栄でした。この先にも何度もコートで会えることを願っている」とファン ライトフォヘンは表彰式のスピーチでメドベージェフに敬意を表した。
敗れたメドベージェフは未だ今季タイトルなしだが、それでも月曜日には世界ナンバーワンの座を取り戻すことになる。
試合後の会見で「ここにやってきたとき、このようなことが可能だと感じていたか」と尋ねられたファン ライトフォヘンは、「優勝するなんて思う訳ないじゃないか。ひとりくらい上位の選手に勝てればいいとは願っていたけど、数人に対して番狂わせを演じた上にタイトルまで獲るなんて、ただただ信じられないよ」と答えた。
「ATPツアーの大会で優勝するということは、僕にとって大きな意味がある。でもそれを母国でやってのけるなんて、途轍もなく素晴らしい成果だよ」と喜びを爆発させた彼は次の目標を聞かれ、「またもうひとつタイトルを勝ち獲ることさ。そしてトップ100に入れたらいいと思う」と返答した。
その日はそう遠くないだろう。ATP(男子プロテニス協会)によれば、彼は週明けのATPランキングで205位から106位にまで上昇する。
このあとに行われたダブルス決勝では、第6シードのヴェスレイ・クールホフ(オランダ)/ニール・スクプスキー(イギリス)が第4シードのエブデン/マックス・パーセル(オーストラリア)に4-6 7-5 [10-6]で競り勝ち今季5勝目を挙げた。
写真◎Getty Images
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