「以前よりも攻めていけた」女子シングルスで優勝した前田樹花 [第49回全国中学生]
全国中学校テニス連盟などが主催する「第49回全国中学生テニス選手権大会」(団体戦8月18、19日、個人戦8月20、21日/群馬県高崎市・清水善造メモリアルテニスコート/ハードコート)の大会最終日は個人戦女子シングルスの決勝が行われ、前田樹花(埼玉・三郷市立前川)が山倉実桜(東京・八王子市立由木)を6-3で倒して優勝した。
3月に引退したばかりのアシュリー・バーティ(オーストラリア)のようなプレーを目指しているという前田。スライス、ドロップショット、アングルショットを織り交ぜ、変化に富んだプレーをする。
それに対して山倉はムーンボールを使いながら、チャンスでは強打で決めにいく。好きな選手はイガ・シフィオンテク(ポーランド)だ。2人の憧れと同様、中学生の2人の決勝も異なるタイプのぶつかり合いになった。
序盤はチャンスでミスが増えた前田に対して、山倉は思いきりよくパワフルなショットを決めてリードを奪った。
勝負が一気に決まりやすい1セット勝負で、前田は2-3、0-30とかなり苦しい局面に立たされていた。「ミスしないように慎重に、でもチャンスボールはしっかり決められるように」意識してそのゲームを逆転して奪うと、勢いに乗って一気に山倉を振りきった。
「実感が沸かない。優勝を目指してはいたけど、そこまでいけると思わなかった」
優勝を決めた直後の前田は少し興奮気味だった。全国大会よりもむしろ関東大会のほうが緊張したという。「全国ではもうその先がないからやりきるだけ。ドライブボレーなどで以前よりも攻めていけたのがよかった」と振り返った。

「後半は体力が切れてきてラリー力が落ちたのに、相手は最後まで粘り強かった 」と脱帽した山倉実桜(東京・八王子市立由木)
山倉は足の親指を骨折して関東ジュニアを欠場、この全国中学生でのタイトル一本に照準を絞っていた。「準優勝もうれしいけど、決勝までいったからには優勝したかった」と正直な胸の内を語った。
今後はプロを目指すという前田に対して山倉は高校でのインターハイ優勝を目指している。2人の異なるタイプがどこかのステージでふたたび激突したとき、さらに見応えのある勝負が見られるのではないか。
写真◎BBM
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