世界1位を目指していたチチパスがまさかの初戦敗退「半分死んでいるかのようだった」 [USオープン]

写真は初戦敗退を喫してコートをあとにするステファノス・チチパス(ギリシャ)(Getty Images)


 今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月29日~9月11日/ハードコート)の男子シングルス1回戦で、第4シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)が予選勝者のダニエル エライ・ガラン(コロンビア)に0-6 1-6 6-3 5-7で敗れる番狂わせが起きた。

 チチパスは今大会の成績次第で世界ランク1位に浮上するチャンスを手にしていたが、その夢の実現はもう少し待たなければならないことになった。

「USオープンが始まる前はとてもやる気があり、わくわくしていたんだ。今大会の成績次第で世界1位に近づくことができるとわかっていたからね。それが頭に浮かばなかったとしたら、逆に凄く奇妙で珍しいことじゃないかな。それは僕が子供の頃から目指してきたことだし、今がステップアップするためのチャンスなんだから」とチチパスは明かした。

「でも、物事は計画していたようには進まなかった。ときには自然に任せる必要がある。考え過ぎるのはよくないし、自分を追い込みすぎる必要もない。でも同時に、目の前にあるチャンスを逃したくないし無駄にしたくないと思っている訳だから、考えないようにするのは難しいよ」

 初日の結果を受けて、USオープン後に世界1位になる可能性を保持しているのはディフェンディング・チャンピオンのダニール・メドベージェフ(ロシア)、ラファエル・ナダル(スペイン)、カルロス・アルカラス(スペイン)、キャスパー・ルード(ノルウェー)の4人となった。

「僕のチャンスは小さくなった。USオープン後に(トップとの)差は前ほど僅かではなくなるけど、それでも僕は今年の終りまでできるだけポイントを追加しようとするつもりだよ。僕は本当に、できればトップ3でフィニッシュしたいんだ。そして未来にはさらなる好機があるはずだ」とチチパスは先を見据えて前を向いた。

 試合開始から10ゲーム連続で落としたチチパスは途中で右上腕の治療を受けたが、アグレッシブにリターンを打ち込んできたガランの超攻撃的なプレーにうまく対処できなかったことが主な敗因だと話した。

「腕がかなり硬くなっており、ストロークが冴えなかった。また今日はサービスのスピードがかなり遅かったように感じた。でも時速120マイル(時速193km)近くは出ていたみたいだから、必ずしもそうではなかったのかもしれないね。何より彼のリターンがよかったんだ。彼が生まれた育った場所の標高が関係しているはずだ。間違いなく、そのことがあのようなリターンを身につける助けになったのだと思うよ」とチチパスはガランに難なく速いサービスを攻略されたことについて私見を述べた。

「彼とプレーし始めたとき、それが原因じゃないかという考えが頭をよぎったんだ。彼はいい仕事をした。彼は試合を完全に支配し、僕は試合の核心に入っていくことができなかった。僕はまるで半分死んでいるかのようだったよ」

 金星を挙げたガランは次のラウンドで、ロレンツォ・ソネゴ(イタリア)を2-6 1-6 6-2 6-4 6-4で破って勝ち上がったジョーダン・トンプソン(オーストラリア)と対戦する。

 世界5位で昨年にはキャリア最高の3位をマークしたチチパスだが、USオープンでは5度出場してまだ一度も2週目に勝ち進んだことがない。

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写真◎Getty Images

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