今年最後のグランドスラム大会「USオープン」（アメリカ・ニューヨーク／本戦8月29日～9月11日／ハードコート）の女子シングルス準々決勝でこのところ第2の開花を見せている第17シードのカロリーヌ・ガルシア（フランス）が第12シードのコリ・ガウフ（アメリカ）を6-3 6-4で退け、四大大会の同種目で初のベスト4進出を果たした。

　前哨戦のシンシナティで予選から優勝を飾ったガルシアは、連勝を「13」に伸ばした。

　2017年フレンチ・オープン以来となるキャリア2度目のグランドスラム準々決勝に臨んだ28歳のガルシアはこれまで2戦全敗していたガウフに対してもっとも重要な舞台で初勝利をおさめ、2002年＆06年のアメリー・モレスモー（フランス）と2005年のメアリー・ピアス（フランス）に続き同大会で4強入りした3人目のフランス人女子プレーヤーとなった。

　勝利後に恒例となっている両手を飛行機の翼のように広げて躍動的に快挙を祝ったガルシアは、「この勝利と準決勝進出に凄く満足しているわ」と喜びを吐露した。

「非常に緊迫した激しい試合だった。すべてのポイント、すべてのゲームが厳しかった。スタジアムはエネルギーが溢れ、雰囲気はいかにもアメリカ的だったわね。試合中に感情をうまく管理することができたし、今日のパフォーマンスには本当に満足している」

　本来のアグレッシブなプレーへの迷いから中途半端になっていた時期を潜り抜け、攻撃的な姿勢で戦うことに確信を得たことで成績が向上し始めたと大会前に打ち明けていたガルシアは、この日もガウフに対してその信念を貫いた。

「常にアグレッシブではあったけど、以前はそれほど明確ではなかった。私はまだ若く、今ほど正しい方向を見つけてそれを唯一の方法として受け入れる必要性はなかった。うまくやりたいなら、私はこの方向に進まなければならない。今はそのことがはっきりしているわ。そして私には改善できる点がまだたくさんある」

　少しでも甘い球がくればウィナーを叩き込み、リターンでもベースライン付近か内側に立って攻撃の姿勢を取り、随所でネットにも出てポイントを奪いにいったガルシアは第1セットでいきなり4-0とリードした。

「ベースライン上に立ってボールを強打してくる相手とプレーしているのよ。簡単ではないわ。彼女は順応することが必要なタイプのテニスをする。強打かミスするかというテニスではないし、いろいろなことを仕掛けてくる」とガウフはガルシアのプレーについてコメントした。

　ガルシアは木曜日に行われる予定の準決勝で、アイラ・トムヤノビッチ（オーストラリア）を6-4 7-6(4)で破って勝ち上がった第5シードのオンス・ジャバー（チュニジア）と対戦する。

　攻撃的な姿勢を貫きたいガルシアにとって、緩急を混ぜてドロップショットなども多用してくる曲者のジャバーはガウフよりやり難い相手となるかもしれない。ふたりはツアーレベルで2度対決し、いずれもジャバーが勝っている。

　ジュニア時代にもグランドスラム大会で戦ったことがあるジャバーについて尋ねられたガルシアは、「ジュニアであそこまでドロップショットを多用し、あそこまでバックハンドのスライスを使ってくる選手は稀だった」と当時を振り返った。

「彼女はボールに多くの変化を加えてくる。当時から彼女はやり難い相手だったけど、今はもっとそうね。彼女はトップ5の選手でウインブルドンで決勝に進出しており、かなり上達している。非常に大きな挑戦になるわ」