“ココ”にとって寒さは関係なし、ガウフがロラン・ギャロス本戦デビューで第9シードを倒す [フレンチ・オープン]
今年最後のグランドスラム「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦9月27日~10月11日/クレーコート)が開幕し、初日は男女シングルス1回戦が行われた。
第9シードに対して同大会での本戦デビューを果たすために長袖とレギンスを身に着けてコートに出ていく前にジムの暖かい場所で準備しながら、“ココ”ことコリ・ガウフ(アメリカ)は父コリーの激励を受けていた。
「父の目標はNBAの選手になることだったけど、それは叶わなかったの。父は私に言ったわ。『お前は自分の夢を生きている。誰もがそのような機会を得られる訳じゃない。ただコートで楽しんでこい』と。その言葉は、本当に私の物の見方を変えたわ」と16歳のガウフは明かした。
「試合に向かう前、私はすごくナーバスになっていたの。でも父の言葉が私を落ち着かせてくれたわ。それはただのテニスの試合なのだと気づいたのよ。私は人々ができたらどんなにいいかと思っていることをやっているんだから」
ロラン・ギャロスでのかなり常軌を逸した本戦初日に――新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのために開幕が5月ではなく9月にやってきて、観戦者の急増で観客は3万人ではなく1000人だった――、ガウフは自分がテニスツアーで望むことのほとんどをやってのける力を持つことを改めて証明してみせた。
年上で経験豊富な対戦相手のバランスを崩すためにフォアハンドのスライスを使い、自らの12本のダブルフォールトに煩わされることなく、もっとも重要な瞬間に安定性を保ったガウフはジョハナ・コンタ(イギリス)を6-3 6-3で倒して2回戦に駒を進めた。これはガウフにとって、トップ20の選手に対する4度目の勝利だった。
昨年のフレンチ・オープンと比べると、何と大きな違いだろうか。昨年のガウフは予選を突破することができず、コンタは3度目のグランドスラム4強入りを決めていた。
その直ぐあとに15歳だったガウフはウインブルドンでブレイクを果たし、予選を突破した最年少選手となったあとにそのまま4回戦まで突き進んだ。彼女は今年のオーストラリアン・オープンでも2019年チャンピオンの大坂なおみ(日清食品)を倒し、4回戦に進出した。
ごく最近、ガウフの道は少しばかり荒れていた。彼女はパリにやってくる前にプレーした5試合で4敗を喫し、その中にはUSオープン1回戦も含まれていた。
「コートに立ったとき、私はかつてのように振る舞うことができているわ」と彼女はコメントした。「だけどコートを離れたら、私はただここにいることができているだけで幸せだと思っているの」。
試合後にガウフは、自分はフロリダ州とジョージア州で育ったので今回のフレンチ・オープンが行われているような10度台の小雨の降る環境には慣れていないのだとジョークを言った。
彼女は10歳のとき以来、これほどたくさん重ね着してプレーしたことはなかったと打ち明けた。それは16歳の彼女にとって、それほど昔のことではないように思われるのだが…。
赤いコートを着て記者会見に現れた29歳のイギリス人であるコンタは、「まるで家(イギリス)にいるような、雨模様で風のあるひどい天気だったわ」と話した。(APライター◎ジェローム・パグマイア&ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真はコリ・ガウフ(アメリカ)
PARIS, FRANCE - SEPTEMBER 27: Cori Gauff of The United States of America celebrates after winning a point during her Women's Singles first round match against Johanna Konta of Great Britain during day one of the 2020 French Open at Roland Garros on September 27, 2020 in Paris, France. (Photo by Julian Finney/Getty Images)
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