精神的成長を遂げたガルシアが2005年のモレスモー以来となるフランス人チャンピオンに [WTAファイナルズ]
女子トップ8によるエリート大会「WTAファイナルズ・フォートワース」(WTAファイナルズ/アメリカ・テキサス州フォートワース/10月31日~11月7日/賞金総額500万ドル/室内ハードコート)の女子シングルス決勝で、第6シードのカロリーヌ・ガルシア(フランス)が第7シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)を7-6(4) 6-4で倒してチャンピオンに輝いた。
お互いにキープし合った第1セットをタイブレークの末に先取したガルシアは、第2セット第1ゲームで掴んだ唯一のブレークポイントをものにして勝利に向けて突き進んだ。
「物凄く幸せよ。すべてのポイントが激しく緊迫したクレイジーな決勝だった。私は1年を通して私たちが積んできた仕事を心から誇りに思う。自分にとって一番大きなタイトルだから、本当にうれしいわ」とガルシアは試合後にコメントした。
同大会のシングルスでトロフィーを手にした2人目のフランス人選手となったガルシアは、「2005年に優勝したアメリー・モレスモー(フランス)のあとを継ぐことができたことを本当に誇りに思うわ。過去に偉大なチャンピオンがいたことは幸運だった。彼女に続くことができたのは本当に名誉なことだわ」と語った。
「今年はこれで4つ目だけど、これは私にとってキャリア最大のタイトルよ。その背後には大きな努力があった。マッチポイントを迎えたとき、トロフィーを掲げたとき、様々な感情が込み上げてきた。辛かったときの思い出、支えてくれた人たちのことが思い浮かんだわ。WTAファイナルズ優勝が今シーズンの目標だったとは言わないけど、今年、今週、そしてこの決勝をとても誇りに思っている」
両者は決勝を戦うに相応しいプレーを披露し、今季のサービスエース数トップのガルシアはこの日も11本を上乗せして一度もブレークポイントに直面しなかった。シーズン序盤にダブルフォールトの問題を抱えていたサバレンカは、この日3本のうち2本を重要な第1セットのタイブレークで犯した。
「私はほんの僅かな間、レベルを落としてしまった。タイブレークと第2セットの第1ゲームでね。それで決まってしまったわ。でも私はベストを尽くした。彼女が信じられないようなテニスをプレーしたのよ」とサバレンカは試合を振り返った。
今季プレーした決勝のすべてで勝ったガルシアは、過去6年を遡っても9戦のうち8勝を挙げている。2017年秋にWTA1000クラスの武漢と北京を連続で制してブレイクしたガルシアは、初のトップ10入りとシンガポールで開催されたWTAファイナルズの初出場を決めた。当時24歳だった彼女はグループステージを2勝1敗の首位で勝ち上がり、準決勝でビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)に7-6(3) 2-6 3-6で敗れていた。
しかしこれらの快挙で獲得したポイントが失効したあと、ガルシアは4年近くもトップ10から遠ざかっていた。ケガもあって70位台に落ちていた彼女は今年、かつて使っていた非常に攻撃的プレースタイルに戻ることを決めて復活への道を切り開いた。
「すべての瞬間に落ち着いていようするマインドセットにとても満足している。ネガティブな感情に影響されることもなかった。タイブレークと第2セット第1ゲームで少ないチャンスをものにすることができたのも、それが大きかったと思う」とガルシアは分析した。
サバレンカは表彰式のスピーチで「ダブルフォールトが多過ぎたから、チームにお礼は言わないわ。酷いチーム…、いえいえ、もちろん冗談よ!」とジョークを飛ばしたあと、涙を流して「サポートをありがとう」と言った。
この快挙で自己最高タイの世界ランク4位でシーズンを終えることになったガルシアは、メンタル面の成長がこの進撃でカギのひとつだと実感していた。
「ときに感情的になったり、思い通りにいかなかったりすることもある。ときに激しい戦いがあり、切り抜けるための道を見つけ出さなければいけない。どうすることもできないポイントもあるしね。そしてそれこそが私が改善した最大のポイントのひとつだった。今日の試合でもっとも重要だったことのひとつは、冷静さを保ってあらゆるチャンスに飛びつくことだったの」
写真◎Getty Images
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