生まれ変わったデビスカップにプレーヤーたちの評価は賛否両論

 マレーがタロン・グリークスプア(オランダ)に対して第3セット1-4から巻き返し、タイブレークでも1-4から状況を逆転させた一戦を含め、多くの試合で多くの興奮があった。またケビン・クラウィーツ/アンドレアス・ミース(ドイツ)がマッシモ・ゴンサレス/レオナルド・メイヤー(アルゼンチン)を3時間の18分の戦いの末6-7(4) 7-6(2) 7-6(18)で倒した試合では、デビスカップ史上最長のタイブレークが目撃された。

「ある試合のすぐ翌日に、かなり違ったプレースタイルを持つ違う選手のいる違うチームと対戦するというのはかなり難しい」とマレーは語った。「ミスを犯す余地がほとんどない。たぶんそれが試合をよりエキサイティングにし、ちょっぴり予想がつきにくくするのかもしれない。そして選手にとっては、少しばかり余計にストレスがかかる」。

 選手の一部を含めた批判者たちは、対戦を母国から離れたところでやることが地元の観客の応援団が生み出す素晴らしい雰囲気を奪い去ることになるという不満を述べている。しかし、ホームファンの応援をフルに謳歌しているのはスペインだけとはいえ、ほとんどの試合でファンが生み出す雰囲気は驚くほどよいものだった。

 遠征してくるサポーターのグループは、会場であるカハ・マジカの3つのコートで大いに騒音を立てることにより人数不足を補っている。

 クロアチアとスペインは楽隊を引き連れて来ており、カナダとベルギーのファンはドラムを叩き、アルゼンチンのファンはいつもどおり騒々しく歌い、オランダからのファンもかなり目につく。

熱狂的なアルゼンチン・サポーター

「非常に大きな犠牲を払わなければならず、多くの人々はそれについて不平を述べている。それは多くの選手たちがホームでプレーする可能性を持たないということだ」とジョコビッチは言う。「99%の国がホームでプレーするチャンスを持たないんだ。でも、この種のフォーマットの変更が何らかの犠牲を生み出すのは避けられないことなのだろう。デビスカップでセルビアのために、母国でプレーする感慨が懐かしいよ」。

 しかしジョコビッチはまた、「でも僕はまた、古いフォーマットがスポーツ界、またテニス界でも十分なだけの関心を生み出していなかったがために、古いやり方に変更を施さねばならなったということは支持するよ」と一定の理解を示した。

「開催者はこれを成功に満ちた1週間にするために、全力を尽くしているんだ。デビスカップは100年に渡って続いてきたもっとも歴史的で伝統の厚いチームイベントだから、彼らは大きな責任とプレッシャーを感じていることだろうと思う。大会が正しくいい形で機能するようにしなければという、膨大な歴史の重みが彼らの上にのしかかっているんだよ」

(APライター◎タレス・アッゾーニ/構成◎テニスマガジン)

※トップ写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア)
MADRID, SPAIN - NOVEMBER 22: Novak Djokovic of Serbia celebrates winning match point in his quarter final singles match against Karen Khachanov of Russia on Day Five of the 2019 Davis Cup at La Caja Magica on November 22, 2019 in Madrid, Spain. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

※写真はすべてGetty Images

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