チチパスが死闘の末にディミトロフを倒してギリシャに重要な2勝目をもたらす [ユナイテッドカップ]

写真はブルガリア戦の第2試合で勝ち星を挙げたステファノス・チチパス(ギリシャ)(Getty Images)


 2023年シーズンの開幕を飾る男女混合国別対抗戦「ユナイテッドカップ」(UNITED CUP、WTA500/オーストラリア・ブリスベン、パース、シドニー/12月29日~1月8日/賞金総額1500万ドル/室内ハードコート)が開幕し、初日のデイセッションでは3つの会場で3グループ(グループA、C、E)の男女シングルス各1試合が行われた。

 パース会場ではグループAのギリシャとブルガリアが対戦し、男女のシングルスをともに制した第1シードのギリシャが2勝0敗とリードして理想的なスタートを切った。

 注目の大物対決となった男子のエース対決でステファノス・チチパス(ギリシャ)はグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)に対して第1セットを落しながらも挽回し、最終的に4-6 6-2 7-6(4)で勝利をおさめてギリシャに重要な2勝目をもたらした。

「多くのドラマがあった。試合を通して2人とも非常にいいサービスを打っていたと思う。僕のペースで進んだ第2セットを別にすれば、何かをできると感じた瞬間は多くなかった」とチチパスは試合後の記者会見で語った。

 ディミトロフは2時間10分の試合を通して世界ランク4位のチチパスに食らいつき続け、第1セットでは非常にいいリターンで相手を苦しめた。第2セットが本来の調子を取り戻したチチパスの手に落ちたあと第3セットはかなりの競り合いになったが、タイブレークにもつれ込んだ末にチチパスが競り勝った。

「グリゴールはタイブレークの最初のポイントからアンフォーストエラーを犯したから、今こそ僕が思いきって攻撃すべき瞬間だとわかったんだ。あらゆる感情を押し込め、その瞬間のことだけに集中するようとしたよ。ネガティブな考えを頭から追い出し、そこから突き進んでいったんだ」とチチパスは最終セットのタイブレークを振り返った。

 その言葉通り、最終セットでのチチパスはプレッシャーがかかる状況でも冷静さを保った。ディミトロフは最終セットで3つのブレークポイントを握ったが、チチパスはそのすべてをセーブするとタイブレークで畳みかけて一気に5-2とリードを奪った。この勝利はチチパスとって、ツアーレベルのマッチ250勝目だった。

 この試合に先立つ女子シングルスではデスピナ・パパミハイル(ギリシャ)が第1セットを落して第2セットも先にワンブレークを許しながらも挽回し、2時間19分に渡る戦いの末にイザベラ・シニコバ(ブルガリア)を3-6 6-4 6-1で倒した。両者は10月にモナスティルのITF大会で一度顔を合わせており、パパミハイルが第3セットタイブレークの末に勝っていた。

 試合序盤はシニコバが持ち前の重いストロークで主導権を握っていたが、パパミハイルは第2セット1-2から本来の粘り強さを大いに発揮し、特にバックハンドから多くのウィナーを放ち始めて形勢を覆した。

「私は非常に強いチームでプレーしている。マリア・サカーリ(ギリシャ)は私にとって素晴らしい模範だわ。だから私にできる最低限のことは、全身全霊を込めて戦うことなのよ!」とパパミハイルは試合後のオンコートインタビューで話した。

 同大会は18ヵ国の男女混成チームが3チームによる6グループに分かれグループステージ(総当たり戦)を戦い、同じ会場の勝者同士がプレーオフ(シティファイナル)で対決して都市ごとの代表を決め、敗れた中でもっとも成績のいい1チームを加えた4ヵ国が決勝トーナメントに進出して優勝チームを決定する。

 チームは男女各4名までで構成され、グループステージの対戦は2日間に渡って男子シングルス2試合+女子シングルス2試合+ミックスダブルス1試合で行われる。

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写真◎Getty Images

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