ナダルがマッチポイントを凌いでメドベデフに勝利「勝つ可能性は1000分の1だった」 [Nitto ATPファイナルズ]

 USオープン決勝と同じカードになったこの試合で、ナダルはズベレフに敗れたラウンドロビン初戦よりずっとシャープな調子であるように見え、第2セットでは2度メドベデフのサービスゲームをブレークした。

 しかし第3セットでメドベデフは一気に4-0とリードを奪い、次のゲームでさらにふたつのブレークポイントを手にした。しかしナダルはそこで踏ん張ってキープに成功して1-4とし、1-5から迎えた次のサービスゲームでは30-40からのマッチポイントを前述のバックハンドのドロップショットによって凌いだ。

 そこからメドベデフはミスを積み重ねるようになり、反対にナダルはコートのいたるところで思いきりよくウィナーを狙って失うものは何もない男のようにプレーし始めた。

「ラファは、『OK、5-1でもう終わりだが、ただその(目の前の)ポイントをよこせ』と開き直ることができたからこそ、ベストの闘いを見せた。でも我々は皆、ラファがそれだけでは済まない男であることを知っている」とメドベデフはコメントした。「そして僕は、このような試合にとどめを刺せるようでなければいけない」。

先に追い詰めながら逆転負けを喫したダニール・メドベデフ(ロシア)
LONDON, ENGLAND - NOVEMBER 13: Daniil Medvedev of Russia plays a forehand in his singles match against Rafael Nadal of Spain during Day Four of the Nitto ATP World Tour Finals at The O2 Arena on November 13, 2019 in London, England. (Photo by James Chance/Getty Images)

 ナダルのATPファイナルズのための準備は腹筋の故障により妨害され、彼はその問題のためにパリ・マスターズ準決勝を棄権せざるを得なかった。しかし彼はここロンドンで初戦に負けたあと、身体の面では問題ないと言い張った。そして実際、ズベレフに対するミスの多いパフォーマンスを経て、ゆっくりとベストの調子を取り戻しつつあるように見える。

「全体的に見て、初日よりもいいプレーができていた」とナダルは振り返った。「とはいえこの試合に勝てたのは、幸運、ダニールが犯したいくつかのミス、最後に訪れた僕の側のいい波など、多くのことのコンビネーションのおかげだった」。

 このナダルの勝利はまた、彼が年末ランキング1位の座をつかむ可能性を強化することになった。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)がナダルを追い越すチャンスを得るためには、この大会で優勝を果たさなければならなくなったからだ。ジョコビッチはその前にまず準決勝進出を決めるため、木曜日にロジャー・フェデラー(スイス)を倒さなくてはならない。

 イブニングセッションではチチパスが前年王者で第7シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を6-3 6-2で破って2連勝を飾り、初出場ながら準決勝進出を決めた。

(APライター◎マティアス・カレン/構成◎テニスマガジン)

※トップ写真はラファエル・ナダル(スペイン)
LONDON, ENGLAND - NOVEMBER 13: Rafael Nadal of Spain celebrates victory after his singles match against Daniil Medvedev of Russia during Day Four of the Nitto ATP World Tour Finals at The O2 Arena on November 13, 2019 in London, England. (Photo by Justin Setterfield/Getty Images)

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