コーチのケーヒル氏がシナーに太鼓判「彼は間違いなくもっと強くなる」

写真はオーストラリアン・オープンでのダレン・ケーヒル(オーストラリア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦「マイアミ・オープン」(ATP1000/アメリカ・フロリダ州マイアミ/3月20~31日/賞金総額1040万4205ドル/ハードコート)の男子シングルス決勝で、第2シードのヤニク・シナー(イタリア)が第11シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を6-3 6-1で下して大会初優勝を飾った。

 1月のオーストラリアン・オープンと2月のロッテルダムに続く今季3勝目を挙げた22歳のシナーがATPマスターズ1000大会でタイトルを獲得したのは、昨年8月のトロント以来でキャリア2度目となる。ツアー決勝での戦績は13勝3敗となったが、そのうちの2敗は2021年と昨年の同大会で喫していた。

 相手のサービスゲームを2度破って第1セットを先取したシナーは第2セット1-1から5ゲームを連取し、最初のサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップをラブゲームでキープして1時間13分で快勝した。

 シモーネ・バニョッツィ(イタリア)とともにシナーを指導するダレン・ケーヒル(オーストラリア)は試合後、「彼(シナー)はこの時点で持っている力でテニスをしている。今日のレベルは素晴らしかった。でも彼はもっとよくなることができる」とメディアに話した。

「進化が進むにつれて成熟し、より強くより速くなるし賢くもなっていく。そのようなものすべてが彼のテニスに反映されるようになるだろう。我々は彼のサービスや攻守の切り替え、変化をつけるためのバックハンドスライスショットやフォアハンドの打ち分けに加えてリターンの改善に取り組んできた」

「それはノバク・ジョコビッチ(セルビア)の素晴らしいところでもある。ノバクは36歳の今も自分のテニスを改善しようと追及しており、我々は彼が調整してくるとわかっている。ダニール・メドベージェフ(ロシア)もそうだ。皆がそうやって進化していくんだ。カルロス・アルカラス(スペイン)はサービスの向上を模索し続けているしね。当然のことだよ」

 今季の男子ツアー最多となるマッチ22勝目(1敗)を挙げたシナーは、大会後に更新される世界ランクでアルカラスを抜いて2位に浮上することが確定した。彼が明らかに絶好調だが、常にテニスを改善していくことに取り組んでいると明言している。

 名コーチとして知られるケーヒル氏は元世界ランク位のアンドレ・アガシ(アメリカ)と仕事をしていた頃を思い出し、「(キャリア晩年の)32歳の頃、彼(アガシ)は22歳のときよりもいい選手になりたいと思っていた」と語った。

「前の世代が何歳であっても改善し続けようと努力しきたのを見ることができたから、今の世代は恵まれていると言える。ヤニクがやるのもそれと同じだ。だからこそ彼は確実に上達できる。でも我々は称えるべきことは称えなければならない。現時点の彼は素晴らしいテニスをしているよ」

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写真◎Getty Images

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