股関節のケガから復帰のシナーが全豪覇者としてのグランドスラム初勝利「僕の目標は日々向上すること」 [フレンチ・オープン]

写真は股関節負傷からの復帰戦で快勝したヤニク・シナー(イタリア)(Getty Images)


 シーズン2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月26日~6月9日/クレーコート)の男子シングルス1回戦で、第2シードのヤニク・シナー(イタリア)がクリストファー・ユーバンクス(アメリカ)を6-3 6-3 6-4で下して好スタートを切った。

 序盤からリードを奪ったシナーは第1セット4-1から一度だけサービスダウンを喫したが、第2セット以降に直面した9度のブレークポイントをすべてセーブして2時間9分でストレート勝利をおさめた。

「ケガをしていたから、ここに戻ってくることができて凄くうれしい。僕にとってとても特別な大会なんだ。グランドスラム大会で初めて準々決勝に進出した場所だから、素晴らしい思い出がある」とシナーは試合後のオンコートインタビューで語った。

「ここ数年は最高のプレーができていなかったから、努力を積み重ねて1日1日に取り組んでいくよ。とにかく今日のパフォーマンスには満足している」

 1月のオーストラリアン・オープンでグランドスラム初制覇を果たしたシナーは今季3勝を挙げて28勝2敗の戦績で今大会を迎えているが、前哨戦のマドリッドで股関節のケガにより準々決勝の棄権を余儀なくされたあと続くローマの出場取り消していたためこれが約3週間ぶりの復帰戦だった。

「股関節の状態はいい。チームと一緒にできるだけ早くコートに立てるよう一生懸命努力してきたからうれしいよ。間違いなくチームがなければ不可能だった。全体的な調子はまだ100%じゃないから、毎日積み上げていこうと思っている」とシナーは現時点のコンディションについて説明した。

 全豪覇者としてグランドスラム初勝利を挙げたシナーは、「ここ数ヵ月で達成できたことにはもちろん満足しているけど、僕の目標は日々向上することだ」と謙虚に話した。

「僕にとってはそのほうが重要なんだ。まだまだ改善しなければならないことがあるのはわかっているから、チームがいてくれて心強いよ。彼らが毎日追い込んでくれるから、僕が将来どんなことを成し遂げるか見てみよう」

 この大会でノバク・ジョコビッチ(セルビア)がタイトルを防衛してもシナーは決勝に進出すれば世界ランク1位の座に就くことができ、初戦に勝ったことでジョコビッチが決勝進出を逃した時点でATPランキング史上初のイタリア人ナンバーワンが誕生することになる。

 シナーは次のラウンドで、前日にボルナ・チョリッチ(クロアチア)を7-6(5) 7-6(2) 6-4で破って勝ち上がったワイルドカード(主催者推薦枠)のリシャール・ガスケ(フランス)と対戦する。

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写真◎Getty Images

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