シナーのグランドスラム大会での連勝は「12」でストップ「股関節のことはもう心配していない」 [フレンチ・オープン]

写真は準決勝の新世代ライバル対決で敗れたヤニク・シナー(イタリア)(Getty Images)


 シーズン2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月26日~6月9日/クレーコート)の男子シングルス準決勝で、第3シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が第2シードのヤニク・シナー(イタリア)との新世代ライバル対決を2-6 6-3 3-6 6-4 6-3で制して大会初優勝に王手をかけた。

 ツアーレベルで4勝4敗と互角でともに次世代のトップランナーである2人の戦いはお互いに一歩も譲らず最終セットに突入し、アルカラスが1-0からブレークしたリードを最後まで守りきって4時間9分で勝利をもぎ取った。

 第3セット2-2の場面でシナーが腕にケイレンを起こしたにもかかわらずアルカラスは付け込むことができなかったが、第4セット後半に本来のレベルを見出し最終的にシナーを振りきった。

 アルカラスは同大会では初となる決勝で、第7シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)を2-6 6-2 6-4 6-2で破って勝ち上がった第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と対戦する。

 グランドスラム大会での連勝は「12」で止まったが、2年連続4度目の優勝と歴代単独トップとなる25回目のグランドスラム制覇を目指していた第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が右膝のケガを理由に準々決勝を棄権した時点でシナーがATPランキング史上初のイタリア人ナンバーワンになることが決定している。

「素晴らしい試合だったと思う。彼(アルカラス)が取ったセットでは重要なポイントで僕よりもいいプレーをしたのは確かだ。それがカギだったと思う。もちろん結果にはがっかりしているけど、これは僕が成長していくプロセスの一環だ。大会前のことを思い返せば、間違いなくここまで勝ち進むことができてとてもうれしいよ」とシナーは試合後の記者会見で語った。

「今はとにかく上達してベストを尽くし、この大会で将来的に何ができるか見るのを楽しみにしている。ポジティブな面に目を向ければ、僕は昨年より向上している」

 第3セットでケイレンを起こしたことについて、「確かに緊張はあった。緊張があって、そのあとに少しケイレンがきた」とシナーは説明した。

「今はこのような状況に少しうまく対処できるようになった。かなり早い段階だったけど、大会前にあまりプレーしていなかったから体のことはあまり心配していなかった。かなりよく持ち堪えていたと思う」

 1月のオーストラリアン・オープンでグランドスラム初制覇を果たしたシナーは今季3勝を挙げて28勝2敗の戦績で今大会を迎えたが、前哨戦のマドリッドで股関節を負傷して続くローマの欠場を余儀なくされていた。

「股関節は大丈夫だった。試合が長引けば右側が左側ほどの強さがなくなって特に2時間半を超えると少し痛みを感じることはあるけど、言い訳にはできない」とシナーはケガの影響を否定した。

「動きはよかったし調子もよかった。だから股関節のことはもう心配していない。今日の結果にはがっかりしているけど、受け入れなければならないことだ」

「勝者は喜び、敗者は次に相手を倒す方法を見つけようとする。それがエキサイティングなんだと僕は思うし、僕はそうやっていこうと思っている」

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写真◎Getty Images

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