「妊娠、出産を経て、人生、時間がとても貴重なものに感じる」東レPPO会場に登場した大坂なおみ

東レPPOテニスの会場、有明コロシアムに登場した大坂なおみ(フリー)(写真◎東レPPOテニス事務局)



 “成長したい”、“テニスが上手くなりたい”という気持ちが自分を突き動かす原動力になっているという。

「私のモティベーションは、テニスがうまくなること。まだまだ伸びしろはいくらでもある。周囲には才能に恵まれていると言われるけど、自分では一度もそう思ったことはない。とにかく努力して、できる限り完成された選手に近づきたい」

来年の目標を語った。

「まずトップ30入り、そしてグランドスラムのシード権獲得を目指していく。どちらも、今年も目指していたけど、残念ながら怪我もあって達成できなかった。ほかにはクレーコート、ハードコートの大会で優勝すること。グラスコートでもいいプレーをする自信があるけど、正直に言ってまだ少し怖さがあるの」

子供を産んだことで人生観が大きく変わったという。

「子供が出来てから私の人生は間違いなく大きく変わった。精神的に物凄く強くなったと思う。以前のように、周囲の雑音に惑わされることが少なくなった。テニスは自分が大好きなものだけど、人生のすべてではないことにも気づいた。今は家に帰ると、私を待っていてくれる娘がいる。まだ幼い彼女にとって、いまは私が世界のすべてだと思う。自分がしっかり守らなければいけない存在なの。若いころは時間が無限にあるように感じられた。オンコート、オフコートで好きなことをする時間がいくらでもあった。でも、妊娠から出産までの過程を経験したことで、今は人生、時間がとても貴重なものだと感じられる」

初めて娘と一緒に帰国した。

「娘と日本に来たことはすごく特別なことで、彼女を私の祖父母に会わせることができた。彼女に会って、みんなが泣き出してしまい、すごく特別なことなのだなと実感した。彼らがいなければ、私もここにいないし、娘も存在しない。すごく意味のあることだった。娘を東京ディズニーランドとサンリオピューロランドに連れていきたい」


「YONEX Tennis Festival 2024」の終わりに登場し、スタンドに向かってサインボールを打ち込む大坂なおみ(フリー)(写真◎東レPPOテニス事務局)

プロ入り前から長く愛用しているヨネックスのラケットは、デザイン性がとても気に入っており、そのサポートに感謝している。

「ヨネックスは自分にとって最高のパートナー。すごくラケットのことをケアしてくれている。自分も一緒にデザインしたこともあり、デザイン性も気に入っている。姉のまりと一緒にデザインした龍が描かれている『OSAKA EZONE』は素晴らしいし、村上隆さんと一緒に作った桜が描かれたモデルもすごく気に入っているの。ヨネックスとの関係では、自分が何一つ犠牲にすることなく、完ぺきにサポートしてもらっている」


エキシビジョンマッチでWTAランキング16位のディアナ・シュナイデルと対戦した渋谷月姫(青森/リバティ)(写真◎東レPPOテニス事務局)

最後に、この日行われたエキジビションマッチを観戦した感想を語った。

「ジュニア選手たちがトップ選手と打ち合うことができるのは、彼女たちの夢が近づく素晴らしいイベント。この経験によって、トップレベルに近づく大きな一歩になるはず。しかも、有明のセンターコートは世界でも有数の大きさで、ここでプレーするのは私も誇りに感じる場所だから、ジュニア選手にとって本当に素晴らしい体験になると思う」

 娘と充実した時間を過ごしながら、ムラトグルーとのタッグでテニスも良い方向に向かい始めたという大坂の、今後の活躍に期待が高まる。

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