復帰後の錆び付きを見せたナダルは準々決勝敗退「彼は素晴らしいプレーをした」 [イタリア国際]
ATPツアー公式戦の「BNLイタリア国際」(ATP1000/イタリア・ローマ/9月14~21日/賞金総額385万4000ユーロ/クレーコート)の男子シングルス準々決勝で、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第8シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)に2-6 5-7で敗れる番狂わせが起きた。
ツアーから離れていた7ヵ月のあと、ナダルはまだ残っている錆をそぎ落とさなければならない状態だ。彼にとっての復帰後初の大会は、土曜日の準々決勝で幕を閉じた。それは第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が予選勝者のドミニク・コプファー(ドイツ)を6-3 4-6 6-3で勝利をおさめた試合の半ばでラケットを叩きつけ、警告を受けたあとのことだった。
ローマで9度の優勝経験を持つナダルは、シュワルツマンとの過去9度の対戦で一度も負けたことがなかった。しかしこの日のシュワルツマンはナダルが“らしくない”アンフォーストエラーを犯してファーストサーブを入れるのにも苦労する中、ベースラインからのラリーの主導権を握ってドロップショットをいくつも決めた。
ロックダウン中の2ヵ月間、ナダルはテニスラケットには触らなかったと明かしていた。「今年はまったく特別な年であり、予想のつかない年だ」と彼はコメントした。「少なくとも僕は、ここで3試合をプレーしたんだ」。
今週のナダルは最初のふたつの試合にストレートで勝ったが、この日のシュワルツマンとの試合では彼がやや錆付いていることが出だしから見受けられた。
この試合でのナダルは、30対17とシュワルツマンの約2倍近いアンフォーストエラーを犯した。また彼は自分のサービスからの63ポイントのうち29本しか取ることができず、その結果5度ブレークを許すことになった。
「これほど多くのサービスゲームを落としていたのでは、試合に勝つことは期待できない」とナダルは嘆いた。「だから僕は、この部分を修正しなくてはならない。どうやればいいかは分かっている」。
新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの中での渡航を懸念してUSオープンでプレーしない道を選んだナダルは、2月にメキシコ・アカプルコの大会で優勝したのを最後に公式戦に出場していなかった。彼には9月27日から本戦が始まるフレンチ・オープンで13度目のタイトルを狙う前に、体勢を立て直すための1週間がある。
「僕は正しい姿勢で努力と練習を続け、準備を整えるための機会をしっかり活用するつもりだ」とナダルは先を見据えた。
シュワルツマンは試合を通し、魅惑的なショットを次々と披露した。中でももっとも目を惹いたのは第2セットの第2ゲームでドロップショットを追いかけてフォアハンドのパッシングショットでナダルを抜き去り、17本のラリーを制してブレークポイントをセーブしたプレーだった。
「これは僕にとって、ここまでで最高の試合だった」とシュワルツマンは語った。
試合が行われた時間帯は暖かくて湿気が多く、ナダルはそのコンディションに苦労したとほのめかした。
「ボールのバウンドという意味で、コンディションはこれに先立つ数日よりもずっと重かった」とナダルは言った。「彼を後ろに押し返すのが難しかった。彼は素晴らしいプレーをしたよ」
日曜日の行われる準決勝で、シュワルツマンは第12シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)と対戦する。シャポバロフはこの日、第15シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を6-2 3-6 6-2で破って4強入りを決めた。
パンデミックのために大会はここまで無観客で試合を行ってきたが、準決勝と決勝では上限1000人までの観客を許可するとイタリアのスポーツ大臣が金曜日に発表していた。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)
※写真はラファエル・ナダル(スペイン/手前)とディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)
ROME, ITALY - SEPTEMBER 19: Rafael Nadal of Spain walks past Diego Schwartzman of Argentina as they change ends during their quarter-final match during day six of the Internazionali BNL d'Italia at Foro Italico on September 19, 2020 in Rome, Italy. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)
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