アルカラスが2年連続フレンチ・オープン制覇、グランドスラム決勝で初めて実現した新世代ライバル対決でシナーに歴史的な逆転劇「自分を信じることがすべてだった」
シーズン2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月25日~6月8日/クレーコート)の男子シングルス決勝で、第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が第1シードのヤニク・シナー(イタリア)に4-6 6-7(4) 6-4 7-6(3) 7-6(10-2)で逆転勝利をおさめて2連覇を達成した。
2セットダウンから巻き返したアルカラスは第5セット5-4からブレークバックを許したが、もつれ込んだ10ポイントタイブレークの出だしから7ポイントを連取して引き離すと最初のチャンピオンシップポイントでダウン・ザ・ラインに放った鮮やかなフォアハンドのウィナーを決めて死闘に終止符を打った。
試合を優位に進めていたシナーは第4セット5-3で迎えたレシーブゲームで0-40としたが、アルカラスが5ポイントを連取してキープした直後にブレークバックに成功するともつれ込んだタイブレークを制して試合を振り出しに戻していた。
試合時間5時間29分は今大会最長で、大会史上最長記録の決勝となる。前哨戦のローマで今季3勝目を挙げて今大会を迎えていたアルカラスは、連勝を「13」に伸ばして王座を死守した。
アルカラスがグランドスラム決勝でプレーしたのはタイトル防衛に成功した昨年のウインブルドン以来で通算5度目だったが、負けなしの5連勝(2022年全米、2023年&24年ウインブルドン、24年&25年全仏)を飾った。
「間違いなく僕がこれまでプレーした中でもっともエキサイティングな試合だった。この試合にはすべてが揃っていたと思う」とアルカラスは試合後の記者会見で語った。
「今日はとにかく自分を信じることがすべてだった。試合中に自分を疑うことは一度もなく、全力で挑んだ。真のチャンピオンはそういう状況で生まれるんだ」
グランドスラム決勝でマッチポイントを凌いだ末に優勝した男子選手は、2019年ウインブルドンでロジャー・フェデラー(スイス)を7-6(5) 1-6 7-6(4) 4-6 13-12(3)で破ったノバク・ジョコビッチ(セルビア)以来でアルカラスがオープン化以降3人目となる。
「相手が最後のポイントを取るまで試合は終わらない」とアルカラスは第4セット3-5の場面を振り返った。
「僕は常に自分を信じている。例えマッチポイントに直面しても、自分を疑ったことは一度もない」
ふたりはこれがツアーレベルで12回目の対決だったが、5連勝を飾ったアルカラスが8勝目を挙げた。今季は先月にローマの決勝で顔を合わせ、アルカラスが7-6(5) 6-1で勝っていた。
「彼(シナー)に対する試合はどれも重要だ」とアルカラスはシナーとのライバル関係について話した。
「グランドスラム決勝で対決したのはこれが初めてだ。最後にならないよう願っている。何度も言っているけど、僕たちは対戦するたびにレベルを最高まで高め合っている」
23歳のシナーは昨年のUSオープンに続いて1月のオーストラリアン・オープンも制していたが、四大大会での連勝は「20」でストップした。シナーがグランドスラム決勝でプレーしたのはキャリア4度目だったが、初黒星を喫した。
ドーピング違反で3ヵ月の出場停止処分を受けたシナーは前哨戦のローマで準優勝を飾り、復帰後2戦目に臨んでいた。

大会史上最長記録の決勝を制して2連覇を達成したカルロス・アルカラス(スペイン)(Getty Images)
写真◎Getty Images
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