勝利目前からアルカラスに逆転負け、シナーが4度目のグランドスラム決勝で初黒星「前向きに捉えて前に進み続けたい」 [フレンチ・オープン]

写真は準優勝プレートを受け取ったヤニク・シナー(イタリア/中央)、右は男子シングルス表彰式でプレゼンターを務めたアンドレ・アガシ(アメリカ)(Getty Images)


 シーズン2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月25日~6月8日/クレーコート)の男子シングルス決勝で、第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン)が第1シードのヤニク・シナー(イタリア)に4-6 6-7(4) 6-4 7-6(3) 7-6(10-2)で逆転勝利をおさめて2連覇を達成した。

 2セットダウンから巻き返したアルカラスは第5セット5-4からブレークバックを許したが、もつれ込んだ10ポイントタイブレークの出だしから7ポイントを連取して引き離すと最初のチャンピオンシップポイントでダウン・ザ・ラインに放った鮮やかなフォアハンドのウィナーを決めて5時間29分の死闘に終止符を打った。

 試合を優位に進めていたシナーは第4セット5-3で迎えたレシーブゲームで0-40としたが、アルカラスが5ポイントを連取してキープした直後にブレークバックに成功するともつれ込んだタイブレークを制して試合を振り出しに戻していた。

 ふたりはこれがツアーレベルで12回目の対決だったが、5連勝を飾ったアルカラスが8勝目を挙げた。今季は先月にローマの決勝で顔を合わせ、アルカラスが7-6(5) 6-1で勝っていた。

 23歳のシナーは昨年のUSオープンに続いて1月のオーストラリアン・オープンも制していたが、四大大会での連勝は「20」でストップした。シナーがグランドスラム決勝でプレーしたのはキャリア4度目だったが、初黒星を喫した。

「このようなレベルでプレーできてよかったと思っているし、大会自体にも満足している。でももちろん今回の敗戦は辛い…」とシナーは試合後の記者会見で語った。

「非常にハイレベルな試合であることは確かだ。この試合の一部に慣れて本当にうれしい。でも最終結果を受け入れるのは難しい」

 チャンピオンシップポイントを決めきれずに最終セットに突入したときのことを聞かれたシナーは、「セットごとにすべてを削除するよう心掛けていた」と答えた。

「第4セットではマッチポイントがあり、キープすれば勝利というサービスゲームがあっただけにがっかりしたよ。でもメンタル的には耐え抜いた。彼(アルカラス)にフリーポイントを与えなかった」

 ドーピング違反で3ヵ月の出場停止処分を受けたシナーは前哨戦のローマで準優勝を飾り、復帰後2戦目に臨んでいた。シナーは3時間50分を超える試合(0勝7敗)で一度も勝ったことがなく、5セットマッチでの戦績は6勝10敗となった。

「体力面はまったく問題なかった。フィジカルな試合だったからもちろん疲れてはいたし、彼もそうだった。どちらかというとメンタルの戦いだった」とシナーは試合を振り返った。

「物凄くハイレベルな試合だったと思う。それに長かった…。何とかこの辛い敗戦を忘れ、前向きに捉えて前に進み続けようと思う。それ以外に方法はないからね」

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写真◎Getty Images

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