決勝でダブルベーグルの離れ業、シフィオンテクがウインブルドン一般の部で初の栄冠「今回の優勝は本当に予想外」

写真は女子シングルス表彰式でキャサリン皇太子妃(左)から優勝トロフィーを受け取るイガ・シフィオンテク(ポーランド)(Getty Images)


 シーズン3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月30日~7月13日/グラスコート)の女子シングルス決勝で、第8シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)が第13シードのアマンダ・アニシモワ(アメリカ)を6-0 6-0で下して大会初優勝を飾った。

 四大大会決勝で一度も負けたことがないシフィオンテクは好スタートを切ると一度も立ち止まることなく突き進み、最終的に準決勝の第1セット4-2から20ゲームを連取して57分で歓喜の瞬間を迎えた。

 同じ2001年生まれのふたりは今回がツアーレベルでの初顔合わせだったが、ジュニア時代には2016年10月にジュニアフェドカップ(現ビリージーンキングカップジュニア)のファイナルズ決勝で対決してシフィオンテクが6-4 6-2で勝っていた。

 グランドスラム大会の同種目決勝がダブルベーグル(6-0 6-0)で終わったのは、シュテフィ・グラフ(ドイツ)がナターシャ・ズべレワ(ベラルーシ)に対してやってのけた1988年フレンチ・オープン以来となる。

 シフィオンテクが四大大会で栄冠に輝いたのは、昨年の全仏以来でキャリア6度目(2020年&22~23年全仏、2022年全米、2025年ウインブルドン)となる。シフィオンテクは初のウインブルドンで、記念すべきグランドスラム大会でのマッチ100勝目(20敗)を挙げた。

 昨年に26勝2敗(パリ五輪を含む)と圧倒的な戦績を残したクレーコートシーズンで結果を残せなかった24歳のシフィオンテクは世界ランクを8位まで落としたが、ツアーを2週間離れたあとプレーした大会前週のバート ホンブルクでタイトルは獲れなかったもののグラスコートでは初となる1年以上ぶりの決勝進出を果たして4位まで戻して今大会を迎えていた。

 表彰式で行われたオンコートインタビューでポーランド人選手がウインブルドンのシングルスで優勝したのは初めてだと指摘されたシフィオンテクは、「まだよくわからない。凄く現実離れしていると感じているから」と答えた。

「正直にって、(優勝できるとは)夢にも思っていなかった。私にとってはあまりにも遠すぎるものだったから。これまでに何度かグランドスラム大会のタイトルも獲ったし既に多くのことを経験してきたつもりだったけど、今回の優勝は本当に予想外だった。だからこそチームには感謝したい。彼らは私以上に私のことを信じてくれたと感じている」

 17歳だった2018年大会でジュニア部門に出場したシフィオンテクは決勝でレオニー・キュング(スイス)を6-4 6-2で破ってチャンピオンとなったが、一般の部では2023年のベスト8がこれまでの最高成績だった。

「いつも何となく不安だった。落ち着かなくてセンターコートに立つだけでもプレッシャーが大きすぎるように感じていた。でも今年は本当に楽しむことができた。自分のプレーが上達し、ここで心地よくプレーできるようになったと思う」

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写真◎Getty Images

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