シナーがタイトルと世界ナンバーワン防衛をかけた頂上決戦でアルカラスと対決「僕はこのような挑戦が大好き」 [USオープン]
シーズン最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月24日~9月7日/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第1シードのヤニク・シナー(イタリア)が第25シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)を6-1 3-6 6-3 6-4で退け大会連覇に王手をかけた。
1ゲームしか落とさず第1セットを先取したシナーは3-4から唯一のサービスダウンを喫して第2セットを取り返されたが、続く2セットで一度ずつブレークに成功して3時間21分でグランドスラム5大会連続となる決勝進出を決めた。
ふたりはこれが4度目の対決だったが、シナーが2勝2敗のタイに追いついた。オジェ アリアシムは2022年に2勝していたが、先月のシンシナティ準々決勝ではシナーが6-0 6-2で完勝していた。
7月のウインブルドンで初の栄冠に輝いたシナーは、四大大会での連勝を「13」に伸ばした。
オープン化以降で同一シーズンに四大大会すべてで決勝に進出した男子選手は、1969年のロッド・レーバー(オーストラリア)、2006年&07年&09年のロジャー・フェデラー(スイス)、2015年&21年&23年のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に続いてシナーが4人目となる。
「間違いなく素晴らしいシーズンだ。グランドスラムは年間を通してもっとも重要な大会だから、今年も決勝に進出できて満足している。特にシーズン最後の四大大会で素晴らしい観客の前でプレーできるなんて、これ以上のことはない」とシナーは試合後のオンコートインタビューで語った。
「僕とフェリックスは前回シンシナティでプレーしたけど、今日の彼はまったく違う選手だった。サービスもショットも遥かによくなっていた。今日はとても難しい試合だったけど、もちろん勝てて凄くうれしい」
第2セットの途中から腹筋を気にするような仕草を見せていたシナーはセット落としたあとにメディカルタイムアウトを取って治療を受けたが、大事には至らず続く2セットを連取して記念すべきツアーレベルのマッチ300勝目(84敗)を挙げた。
試合後の記者会見で腹筋の状態について聞かれたシナーは、「第2セット3-4からのゲームでサービスを打ったときに腹筋が引きつるような違和感を感じたんだ。治療を受けたら随分よくなった」と説明した。
「ある時点でもう何も感じなくなった。サービスもいつもの状態に戻ったし、特に問題はなかった。心配するようなことは何もないよ」
ディフェンディング・チャンピオンのシナーはキャリア6度目のグランドスラム決勝で、第7シードのジョコビッチを6-4 7-6(4) 6-2で破って勝ち上がった第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン)と対戦する。
世界トップ2のふたりがグランドスラム決勝の舞台で対決するのは3大会連続となるが、過去2戦は1勝1敗(全仏:4-6 6-7(4) 6-4 7-6(3) 7-6(10-2)でアルカラス、ウインブルドン:4-6 6-4 6-4 6-4でシナー)で星を分け合っている。
ランキングの動向をリアルタイムで伝えるATPライブランキングでは現時点でアルカラスが1位となっており、シナーが世界ナンバーワンの座を維持するためには決勝で勝たなければならない。
「僕はこのような挑戦が大好きだし、このような状況に身を置くのが好きなんだ。彼(アルカラス)は僕を限界まで追い込んでくれる選手で、それは素晴らしいことだ」とシナーは次戦を見据えた。
「僕たちのライバル関係はここから始まったと感じている。素晴らしい試合をしたからね。今はお互いに違う選手になっているし、自信も違う。どうなるか楽しみだ」
写真◎Getty Images
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