全仏決勝での敗戦を乗り越えたシナーがハードコート以外のグランドスラム大会で初優勝「決して平坦な道のりではなかった」 [ウインブルドン]

写真は大会初優勝を飾ったヤニク・シナー(イタリア)(Getty Images)


 シーズン3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月30日~7月13日/グラスコート)の男子シングルス決勝で、第1シードのヤニク・シナー(イタリア)が3連覇を目指していた第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン)を4-6 6-4 6-4 6-4で退け大会初優勝を飾った。

 第5ゲームでブレークに成功したシナーは4-2から4ゲームを連取されて第1セットを落としたが、続く3セットで一度ずつ相手のサービスゲームを破って3時間4分で勝利を掴んだ。

 ウインブルドンのシングルスで初のイタリア人チャンピオンとなったシナーが四大大会でタイトルを獲得したのは、1月のオーストラリアン・オープン以来でキャリア4度目(2024年&25年全豪、24年全米、25年ウインブルドン、準優勝1回)となる。

 世界トップ2のふたりはこれがツアーレベルで13回目の対決だったが、5連敗中だったシナーが5勝目を挙げた。前回プレーした先月の全仏決勝では3つのチャンピオンシップポイントを凌いだアルカラスが4-6 6-7(4) 6-4 7-6(3) 7-6(10-2)で劇的な逆転勝利をおさめ、ウインブルドンでは2022大会の4回戦で対決してシナーが6-1 6-4 6-7(8) 6-3で勝っていた。

「パリで非常に厳しい敗戦を喫していたから、凄く感動している。でも結局のところ、重要な大会でどう勝つかどう負けるかはそれほど大事なことじゃない。何が間違っていたのかを理解し、それを改善する努力をすればいいんだ」とシナーは表彰式で語った。

「僕たちは正にそれを実行した。敗戦を受け入れ、ひたすら努力を続けたのが今回勝つことができた理由のひとつだと思う。自分が健康で素晴らしい人たちに囲まれていることを心から感謝している。このトロフィーを手にすることができるのは本当に大きな意味がある」

 ハードコート以外の四大大会を初めて制した23歳のシナーは、ロラン・ギャロスで勝てば『生涯グランドスラム(キャリアを通して四大大会全制覇)』を達成することができる。

「(全仏決勝での敗戦は)本当に簡単じゃなかった。だからこそ、そこが一番誇りに思える部分だと思う」とシナーは試合後の記者会見で明かした。

「コート内外で僕たちが経験してきたことを知っているのは、僕自身と親しい人たちだけだ。決して平坦な道のりではなかっただけに感慨深い」

 クレーコートシーズンのローマから負け知らずだった22歳のアルカラスは前哨戦のロンドンで今季5勝目を挙げて今大会を迎えたが、キャリア最長の連勝は「24」でストップした。アルカラスがグランドスラム決勝でプレーしたのは6度目だったが、初黒星を喫した。

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写真◎Getty Images

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