テニスで積み上げた実績と新たなフィールドへの進出

2015年の初開催から丸10年を迎えた『兵庫ノアチャレンジャー』は、現在国内に4つあるATPチャレンジャー大会の一つ。関西のテニスファンが男子テニスを間近で見る貴重な機会だ。ノアインドアステージはこの大会の特別協賛にとどまらず、昨年はデビスカップ日本代表とのプラチナスポンサー契約を結び、今年はバドミントンの全日本ジュニア選手権で冠パートナーに就任した。
スクール運営でもテニスのみならず、近年の顧客ニーズに応えてバドミントンやピックルボールを展開。現在、バドミントンの会員数は前年比2倍、ピックルボールにいたっては前年比30倍という人気ぶりだ。こうした背景などについて、代表取締役社長の大西雅之氏にお話をうかがった。(インタビュー実施日◎2025年11月21日)
初開催から丸10年のノアチャレンジャー

2025年の兵庫ノアチャレンジャーでは綿貫陽介選手が3度目の優勝。綿貫選手はこの大会と相性が良く、会場の雰囲気の良さもその理由の一つに挙げる。関西のテニスファンに親しまれ、来年は10回目の記念大会を迎える
------今年もノアチャレンジャーは最終日まで日本人選手が勝ち残ったこともあって、盛り上がりました。年数でいうと、初開催からちょうど10年になりますが、何日か試合をご覧になってどう感じられましたか?
「1週間を通して1万人に来場していただきましたから、良かったのではないかと思っています。日本人選手も上位の選手がほとんど出ていましたし、関西で男子のツアー大会がない中、ファンの方に喜んでもらえたのであれば何よりです。(綿貫陽介対エリアス・イーメルの)決勝戦も競った好試合で、私も面白く観させてもらいました」
------入場料をとるチャレンジャー大会もありますが、ノアチャレンジャーは無料です。今後も方針は変わりませんか?
「急に予定が変わったり、不意に思い立ったような場合でも、誰もがいつでも気軽に来られるように無料にしています。正直、チケットを買うとなると、ちょっとハードルが上がりますよね。我々としては、そこでいくらかの収益をあげるよりも、とにかくたくさんのお客さんに来ていただくほうがうれしいですし、そういう環境で選手たちもやりがいを感じてくれると思います」
------コロナ禍で2回の中止がありましたが、来年は第10回大会になります。節目の大会を迎えますが、ここまでを振り返ってどのような感想をお持ちですか?
「もともと、プロの国際大会を見られるチャンスが少ない関西のテニスファンに喜んでもらいたい、関西のテニス界に貢献したいという思いでスタートした大会ですので、年々認知度も高まって、親しまれてきたことはうれしく思っています。プレーした選手がグランドスラムなどで活躍するのを見るのも楽しみの一つになるので、国内外を問わず、これからますますそういう選手が増えてほしいと思います」
ノアの名をテニス以外の競技でも
------バドミントンでも全日本ジュニア選手権の『大会冠パートナー』に就任されました。
「現在、全国にあるスクールのうち約半分でバドミントンスクールを開校していますが、まだテニスのようには全国で知られていません。ノアチャレンジャーの開催や日本リーグ参戦を通じて、全国で名前を知っていただくことにつながったように、バドミントン界でもノアの名前を広めたいという思いがありました。また、世界で活躍する選手を育てたいという思いは、テニスでもバドミントンでも同じです。ジュニア選手の育成にも力を入れてきたので、今回、国内最大のジュニアトーナメントの協賛を通じて、ジュニア世代の選手たちが成長していく過程をサポートできることが楽しみです」
------テニス、バドミントンだけでなく、ピックルボールのレッスンもあり、人気は急上昇中だとお聞きしました。

ピックルボールのコートはバドミントンと同じサイズ。コロナ禍で、屋外でも気軽に楽しめるスポーツとしてアメリカで人気に火がついたといわれる。ノアでは基礎から学べるレッスンを用意し、体験レッスンも随時申し込み受付中
「大阪、兵庫、東京など6都府県、合わせて18校で現在ピックルボールのレッスンを行っています。会員数はこの1年で30倍に増えました。すごい人気ですよ。特に50代、60代といった世代の会員の方が多く、これからの時代の生涯スポーツとして注目されています。初心者や昔テニスをしていたという人が、気軽に習えるというところが魅力でしょう。スポーツはしたいけれど、テニスはちょっとハードだと感じる人も多いですから。1回のレッスン時間もテニスより短いので、高齢者の方も楽しんでできるのではないでしょうか。子どもへの普及や、大会の新設など、今後まだまだ伸びしろの多い競技だと思います」
------コーチング・スタッフはピックルボール専門の方なのですか?
「いえ、テニスやバドミントンのコーチが兼任しています。ピックルの選手はもともとテニスの選手が多いと思いますが、うちでもピックル未経験のテニスのコーチが、その後、インストラクターの資格をとったり、大会に出場したりしています。4月に初開催された『企業対抗ピックルボール日本一決定戦』ではうちの社員ペアが優勝しました」
------今後もテニス以外のラケット競技のスクールを拡大していく計画でしょうか。
「お客様にいろいろな選択肢を用意することで、体験して比べてもらえますし、需要に合わせてテニス以外のスクールも増やしていきたいと考えています。ソフトテニス、卓球、バスケットボールのスクールも展開を広げています。どの競技でもいいですが、小さい頃からノアの名前を覚えてもらって、大人になったらスタッフとして入ってもらうとか(笑)、そういうつながりが広がっていくのもいいなと思います」

ノアインドアステージの本社は姫路市にある。これまでに「20万人の学生が選ぶ!働きたい企業50社」「おもてなし経営企業選」「関西経営品質賞優秀賞」など数々の受賞歴があり、今年も『感動物語コンテスト』でグランプリを含めて史上初の4冠を達成した
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