伊藤あおいが「自分のプレーを貫くこと」で初の戴冠へ [2019全中]

第46回全国中学生テニス選手権大会は8月24日(土)の大会最終日、個人戦の男女シングルス決勝と男女ダブルス決勝が行われ、女子シングルス決勝は第5~8シードの伊藤あおい(名古屋市立八王子)が同じく第5~8シードの石井さやか(渋谷区立松濤)を6-3 6-4で下し、全国大会での初優勝を果たした。

 第1セットから大きくリードを奪ったのは伊藤だった。石井の強打を利用するようなカウンターを次々と決め、第1ゲームから一気に4ゲームを連取。一時は4-3と反撃も受けたが、ワンブレークのリードを保ったまま第1セットを6-4で先制する。

先手必勝で試合を優位に進めた伊藤 写真◎太田裕史

 第2セットに入っても伊藤は「自分のプレーを貫くこと」に終始。ライジング気味にボールをとらえて相手の時間を奪い、最終的にネットプレーにつなげる攻撃を徹底した。そのテンポに対戦した石井は「やりづらかった」と最後までペースがつかめず。5-3で迎えた第9ゲームで伊藤が5度目のブレークを奪って見事に優勝を手にした。

 この優勝が全国大会のシングルス初タイトルとなった。力ではなくボールをとらえるタイミングやネットに出るタイミングを工夫するなど、頭を使ったテニスが魅力だ。得意とするライジングショットは、フラット気味で「対戦経験のない相手はボールに慣れずに凡ミスしてくれる」のが強み。初対戦となった石井も、そのプレーに困惑していた。

初対戦の伊藤に最後までリズムがつかめなかった石井 写真◎太田裕史

 伊藤はこの初優勝を素直に喜んだものの、「もっと優勝したい!」とさらなる“勝利欲”も芽生えた。彼女が目指す舞台は世界。「(世界で)戦うために、ここでつまずいていたら戦えない」と気持ちを引き締め直す。昔から伊達公子さんのようにボールの上がり際をとらえて速い展開に持ち込むのが得意だが、今後はその精度を高めながら海外選手にもパワーで負けない選手を目指していく。

 女子ダブルスは、2年生ペアの中村碧月/畭凛花(城南学園)が第1シードの田中愛美/林妃菜(浪速)を6-2 6-4で退け、全日本ジュニアU14に続いて栄冠を手にした。

全日本ジュニアとの2冠を達成した畭(左)と中村 写真◎太田裕史

編集部◎中野恵太

※トップ写真は、女子シングルス決勝を戦った伊藤あおい(左)と石井さやか(写真◎BBM)

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