地元イギリスのフェリーがウインブルドン準々決勝の舞台へワイルドカードから夢の進撃「1週間前は何試合か勝てれば満足していたと思う」

写真はワイルドカード同士の対戦を制して8強入りを決めたアーサー・フェリー(イギリス)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月29日~7月12日/グラスコート)の男子シングルス4回戦で、アーサー・フェリー(イギリス)が元世界ランク3位のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)に7-5 3-6 4-6 6-4 7-6(10-7)で競り勝った。

 ディミトロフはセットカウント2-1で迎えた第4セットで2-1と4-3からブレークバックを許し、しぶとく戦ったフェリーが試合を振り出しに戻すとすべてサービスキープで突入した第5セットの10ポイントタイブレークで迎えた最初のマッチポイントをものにして3時間55分でワイルドカード(主催者推薦枠)同士の4回戦を制した。

 ウインブルドンの同種目でワイルドカードの選手がベスト8に勝ち残ったのは、オープン化以降5人目の快挙となる。今大会までツアーレベルの戦績が6勝8敗だったフェリーはウインブルドンでも1勝(3敗)しかしたことがなく、グランドスラム全体では2勝4敗だった。

 36歳のディミトロフは昨年のヤニク・シナー(イタリア)に対する4回戦で2セットを先取しながら第3セット途中でサービスを打った際に胸筋を負傷して棄権(シナーから3-6 5-7 2-2)を余儀なくされ、戦線離脱を経て世界ランクを146位まで落としていたためワイルドカードを受け取って今大会に出場していた。

 フランス人の両親のもとフランスで生まれた23歳のフェリーは居住地であるウインブルドンのキングスカレッジを経てアメリカのスタンフォード大学に留学し、カレッジテニスで活躍したあとプロとしてのキャリアを歩んでいる。

「今は言葉が出てこない。最善は尽くすけど、皆さんの前でテニスコートで感じたことを言葉にするのは本当に難しい」とフェリーは試合後のオンコートインタビューで語った。

「センターコートでプレーするのは初めてで、テニス界のレジェンドと5セットを戦った。僕はここから5分くらいのところで育ち、子供の頃からこのコートで試合を観ていたんだ。今は皆さんの前でプレーし、応援を受けて試合に勝った。信じられないことだ…」

 前哨戦のイーストボーンでツアー初優勝を飾っていたジズー・ベレキス(ベルギー)に対する3回戦(2-6 7-5 2-6 7-6(3) 7-6(10-5))でも第4セット1-4から巻き返したフェリーは第5セットでもリードを許していたが、最終的に10ポイントタイブレークに持ち込んで勝利をもぎ取っていた。

「今大会ではこういうストーリーの連続だった。前のラウンドでも負けそうになっていたし、今日も第4セットでブレークされていたからね」とフェリーはここまでの道のりを振り返った。

「それでもとにかく戦い続け、いい姿勢を保ってコートでやろうとしていることに集中し続けた。それが報われたよ。僕は追い詰められた状況でこそ本当にいいプレーができるんだ」

「想像もしていなかった。1週間前は何試合か勝てれば満足していたと思う。それが4試合に勝って準々決勝に勝ち進めるなんて…。夢を見ているみたいだよ」

 大会後にトップ100デビューが確定しているフェリーは次のラウンドで、第5シードのアレックス・デミノー(オーストラリア)を7-5 7-6(4) 6-3で破って勝ち上がった第9シードのフラビオ・コボッリ(イタリア)と対戦する。

 ふたりは1月にオーストラリアン・オープンの1回戦で一度対決しており、フェリーが7-6(1) 6-4 6-1で勝っている。

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写真◎Getty Images

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