2度目のUSオープン優勝を果たした大坂なおみがコートの外でもテニス界をリード

 USオープン1回戦で大阪は黒いマスクに白い文字で「Breonna Taylor(ブリオナ・テイラー)」と書かれたマスクを着けて登場した。テイラーさんは今年3月にケンタッキー州のアパートで警察に射殺された黒人女性だ。大坂は7つのマスクを持参し、決勝まですべての試合で1枚ずつ身に着けるプランを明かした。

「テニスは世界中で見られているから、もしかしたらブリオナ・テイラーさんの事件について知らない人がいるかもしれない。そんな人たちがこれを見れば、その名前をググったりしてくれるかもしれない。私はとにかく皆に知ってほしいの」と大阪は意図を説明した。

 土曜日の決勝では、2014年にオハイオ州で殺された12歳の黒人少年タミル・ライスさんをリストに加えた。それまでには、エライジャ・マクレインさん、トレイボン・マーティンさん、アマド・オーブリーさん、ジョージ・フロイドさん、フィランド・カスティールさんの名前がマスクに書かれていた。

 彼女が発したメッセージの意図を問われた大坂は、「あなたがこのメッセージから何を感じたの? そのほうが重要な質問なの。大事なのは人々がこれらの事件について関心を持って話題にすることなの」と逆に質問をし返した。

 テニスでこの問題に注目が集まるように、大坂はウェスタン&サザンオープンの準決勝を棄権すると発表した。例年オハイオ州で開催されるこの大会は、今年だけニューヨークで開催された。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより移動を可能な限り少なくし、USオープンとセットで開催することになったのだ。

 大会オフィシャルは彼女の考えを尊重し、大会を1日休止する決断を下した。

「これは誰もが理解しているように、大きなモティベーションになる。彼女にとって、とても重要な話題なんだ」と大坂のコーチを務めるウィム・フィセッテ氏はコメントした。彼は大坂の行動が選手としても大きなプラスになると考えている。

「なおみのように自分の意見をしっかり持ち、大きな変化を起こそうとすることはとても重要なことだ。彼女が今起こしている行動は素晴らしい。マスクを着けることで、ロールモデルになろうとしているのだろう。それと同時に彼女は、オンコートでもロールモデルにならなければならないと理解している。この両方がマッチすれば最高のコンビネーションだ。オフコートでロールモデル、オンコートでも素晴らしい態度を見せる。これはすごくいい形にはまるはずだ」

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