神鳥舞、長門桃子らが3年目のインターハイでまずは自己最高の4回戦進出 [南部九州インターハイ]

第76回全国高等学校対抗テニス大会および第109回全国高等学校テニス選手権大会(南部九州インターハイ テニス競技/8月2~4日団体戦、5~8日個人戦)は5日目となる8月6日、女子個人シングルスがKIRISHIMAヤマザクラ宮崎県総合運動公園で、男子個人ダブルスが宮崎市生目の杜運動公園で行われた。

 もともと大会5日目の女子シングルスは1回戦から4回戦までが行われるはずだったが、台風の影響で試合開始が4時間遅れたことにより3回戦までに変更。その3回戦も一部が翌日に順延された。

 3回戦はあと4試合を残すのみで、ナイター設備を使ってキリよく行いたいところだが、そうはいかない事情がある。大会2日目に熱中症による救急搬送者が多数出た要因として、酷暑となった大会初日に夜遅くまで試合を行ったことが指摘されているからだ。

 試合短縮のルール変更を緊急に実施し、休憩時間の確保、試合終了時刻の厳守など、数々の対策を講じた。これ以上の重症者を出さないように、できることはすべてやるという方針だ。

 それでも、あの悪夢の2日目は個人戦にも多少の影を落とした。連日救急搬送された吉田朋夏(仁愛女子)はシングルスを棄権。症状がもっとも重篤だった石橋彩由(東京学館船橋)は体調を回復させて1回戦を6-2と快勝したものの、2回戦を2-4で途中棄権した。

同校の長島靖監督によると、「少しでも体調に異常を感じたら絶対に無理をしないで報告するということを強く約束させて、試合に臨ませました。途中棄権は、それを守った結果です。試合中に呼吸が異常に速くなってきたということで、やめる決断をしました」とのこと。勇気ある判断で、先日のような大事には至っていない。

 そんな中、奮起しているのが彼女たちのチームメイトたちだ。仁愛女子のキャプテンでもある吉田華菜子は自身もあの日、病院で点滴を打ったが、現在は体調に問題なくシングルスの3回戦を突破。「団体が悔しい結果に終わってしまったけど、個人的にはずっと勝っていて自信にもなっていました。最後の大会なので、その自信を力にして悔いの残らないようにしたい」と話した。

 また、東京学館船橋の3年生、長門桃子も3度目のインターハイで初めて2回戦を突破して4回戦まで駒を進めた。

 174cmという長身からのサービスと攻撃的なショットが持ち味で、相生学院の齋藤瑠奈との2回戦では4-5で相手サービスというピンチに立たされたが、土壇場でブレークバックに成功。その後のタイブレークでは3-3からサービスエースも含めて4ポイントを連取して勝利をつかんだ。

「私も去年は熱中症になってしまったので、今年は食べるものにも気をつけていて、バランスよくお肉やお米は特に意識して食べるようにしています」

 その甲斐あってか猛暑の中でも体調は万全だという。「初めて2回戦を突破できて、それはほっとしたんですけど、いけるところまで…(ベスト)4くらいはいきたいかな」と控えめに目標を口にした。

 今、勝ち残っている中には長門のように1年生から出場して3年目に臨んでいる選手がほかにもいる。第1シードの神鳥舞(早稲田実業)。神鳥の過去2年はいずれも3回戦どまりだったが、初の4回戦進出だ。1、2回戦は6-0の圧勝だった。早稲田実業の団体優勝のあとは「3冠を狙いたい」とも話していたが、前日のダブルスでは準々決勝敗退を喫した。このシングルスでは第1シードで優勝候補のひとり。2冠達成なるか、その行方が注目される。

神鳥舞(早稲田実業)は団体との二冠に挑む

 団体戦での涙、ダブルスの悔い------それぞれの事情を抱えながら臨むシングルスはまだ中盤戦だ。8月7日は3回戦の残りと、4回戦、準々決勝が行われる。

(ライター◎山口奈緒美)(写真◎小山真司)

※トップ写真は、3年目のインターハイで自己最高の4回戦進出を果たした長門桃子(東京学館船橋)

南部九州インターハイ|団体・個人単複トーナメント表

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