“クエリー対サングレン”ウインブルドン2週目での稀なアメリカ人対決が実現

今年3大会目のグランドスラム「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月1~14日/グラスコート)の大会7日目にサム・クエリー(アメリカ)とテニス・サングレン(アメリカ)がコート12で対戦するとき、それはウインブルドンの4回戦以降に実現した19年ぶりのアメリカ人対決ということになる。

 グランドスラム大会全体を見回しても、それらのラウンドでのアメリカ人対決は2007年以来のことだ。

「少なくとも、間違いなくアメリカ人ひとりが準々決勝に進出する。それは素敵なことだ。いいね。少なくともひとりのアメリカ人が前に突き進み、さらなる進撃を目指せるという事実を僕は気にいっている」とサングレンはコメントした。

「もしひとりが走り続ければ、『彼ら(アメリカ人たち)は皆2回戦で消えた』的な話を聞かないで済むからね」

 世界ランク94位のサングレンは土曜日、第12シードのファビオ・フォニーニ(イタリア)を6-3 7-6(12) 6-3で退けて4回戦進出を決めた。この試合は、“オールイングランド・クラブを爆破するための爆弾が欲しい”と発言したフォニーニの激発で注目を集めた。
 
 同65位のクエリーもまた、27本のサービスエースの力を借りてジョン・ミルマン(オーストラリア)を7-6(3) 7-6(8) 6-3で破っていた。

「2つのタイブレークを切り抜けてぎりぎりで勝つというのは、すごくいい気分だった」とクエリーは試合を振り返った。

 これに先立ちウインブルドンの2週目でふたりのアメリカ人が対決したのは、ピート・サンプラス(アメリカ)がジャン マイケル・ギャンビル(アメリカ)を準々決勝で倒した2000年に遡る。アンディ・ロディック(アメリカ)は2007年オーストラリアン・オープン準々決勝で、マーディ・フィッシュ(アメリカ)を倒していた。

 カリフォルニア出身のクエリーは2017年ウインブルドンで4強入り、その前年にもベスト8に進出し、その過程でそれぞれ前年度覇者を倒していた。とはいえ彼は今、ここまでやるとは期待していなかった。彼は今週まで2019年のグランドスラム大会で1勝もしておらず、腹筋の故障のためにかなりの長期の戦線離脱を余儀なくされていたのである。
  
 テネシー州の出のサングレンもまた、自分のチャンスを信じていたという訳ではなかった。彼はツアーレベルで9連敗という、極度の不振の中でウインブルドンを迎えていたのだ。

 土曜日に勝ち上がりを決めたあと、誰も自分からは多くを期待していなかったろうとサングレンは話していた。

「もし期待していたとしたら、その人は利口とは言えないんじゃないかな」とサングレンは自らをネタにした。彼のここまでのグランドスラム大会における最高成績は、2017年オーストラリアン・オープンの準々決勝進出だ。

「そんなのは“悪いジョーク”とでもいうものだったろう」

 彼とクエリーは一緒に練習したことはあるものの、ツアーで対戦したことは一度もない。1週目にどれほど偵察活動をしたかについて、サングレンは笑いながらこう言った。

「あまり見ていないけど、僕が見るときにはいつも、彼はサービスエースを決めているよ」

(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真はテニス・サングレン(アメリカ)
LONDON, ENGLAND - JULY 06: Tennys Sandgren of The United States plays a backhand in his Men's Singles third round match against Fabio Fognini of Italy during Day six of The Championships - Wimbledon 2019 at All England Lawn Tennis and Croquet Club on July 06, 2019 in London, England. (Photo by Laurence Griffiths/Getty Images)

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