メドベージェフが1セットも落とさず準決勝へ「終盤は厳しかった」 [USオープン]
今年ふたつ目となるグランドスラム「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月31日~9月13日/ハードコート)の大会10日目は、ボトムハーフの男女シングルス準々決勝と女子ダブルス準決勝残り試合が行われた。
2019年準優勝者のダニール・メドベージェフ(ロシア)はロシア人対決となった準々決勝で1セットも落とさなかっただけでなく、ここまでの4試合で一度もセットを奪われていなかった。
そんな訳でアンドレイ・ルブレフ(ロシア)が第1セットのタイブレークで5-1と大きなリードを奪い、それからセットポイントを3本握ったとき、それは重大な瞬間であるように思えた。そして、実際その通りだった。
第3シードのメドベージェフは第10シードのルブレフがタイブレークでつかんだ3度のチャンスを大奮闘の末に凌いで5ポイントを連取すると、7-6(6) 6-3 7-6(5)の勝利へと突き進んだ。
試合終盤でのメドベージェフにとっての唯一の懸念は、自分の身体が持ち堪えるかについてだった。彼はケイレンと戦っており、第3セットではトレーナーに肩をマッサージしてもらわなければならなかった。そして彼は、どうにかそれを乗り越えた。
「終盤は厳しかった。窮地に陥りかねないと感じていたよ」とメドベージェフは振り返った。彼はファーストサーブが入ったときの57ポイント中51本を取り、一度もブレークポイントに直面しなかった。試合を通したウィナーの数は、51対23とメドベージェフが大きく上回っていた。
今大会ここまでの5試合を通してメドベージェフはプレーした68のサービスゲームを65回キープし、9度あったブレークポイントのうち6本をセーブしている。
もう60年もの間、セットを落とさずにUSオープン男子シングルスで優勝した選手は出ていない。最後にそれをやってのけたのは、大会が全米選手権と呼ばれていた1960年のニール・フレーザー(オーストラリア)だった。
男子シングルスで勝ち残っている4人の中で、グランドスラム大会で優勝を経験した選手はひとりもいない。第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が4回戦で失格処分を受けたことで、ベスト8の時点で新チャンピオンの誕生が確定していた。
この試合の分岐点は、第1セットのタイブレークだった。ルブレフはまず5-1、それから6-3とリードしていたのだ。しかしルブレフはポイントとともに冷静さを失い始め、6-6とされたあとのコートチェンジの際にラケットを地面に叩きつけてしまった。5ポイントを連取してセットをもぎ取ったメドベージェフの疾走は、時速206kmのサービスエースでクライマックスを迎えた。
第2セットのある場面でルブレフは前かがみになって叫び、不適切な暴言を吐いたとして警告を受けた。これに対してルブレフは、猥褻な言葉は使っていないと主審のジェームズ・ケタボンヌ氏に反論した。
チェンジコートの際にルブレフは、「あなたのミスのせいで僕が罰金を科されるってこと、分かってる?」とケタボンヌ審判に向かって抗議した。
5セットの死闘の末にラファエル・ナダル(スペイン)に敗れた決勝の1年後、メドベージェフはキャリア2度目のグランドスラム大会準決勝に挑む。彼はそこで、第2シードのドミニク・ティーム(オーストリア)と対戦する。ティームは水曜日のナイトセッション最後の試合で、第21シードのアレックス・デミノー(オーストラリア)を6-1 6-2 6-4で退けた。
金曜日に行われるもうひとつの男子準決勝では第5シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と第20シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)が顔を合わせる。ふたりはともに、火曜日に勝ち上がりを決めていた。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真はダニール・メドベージェフ(ロシア)
NEW YORK, NEW YORK - SEPTEMBER 09: Daniil Medvedev of Russia returns the ball during his Men's Singles quarterfinal match against Andrey Rublev of Russia on Day Ten of the 2020 US Open at the USTA Billie Jean King National Tennis Center on September 9, 2020 in the Queens borough of New York City. (Photo by Al Bello/Getty Images)
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Pick up
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-10-27
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ