頂点へふたたび----ナダルがジョコビッチを倒し、9度目のローマ制覇 [BNLイタリア国際]
「BNLイタリア国際」(ATP1000/イタリア・ローマ/5月12~19日/賞金総額579万1280ユーロ/クレーコート)の男子シングルス決勝で、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン)が長年のライバルで第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を6-0 4-6 6-1で下し、記録更新となる同大会9度目のタイトルを獲得した。
「君たちはタイトルを要求していた。そしてついに僕は1タイトルを獲得した」とナダルは記者たちに語った。
「ご覧の通り重要なタイトル、重要な瞬間だ」
プロ化以降の時代の最多記録であるナダルとジョコビッチの対戦回数「54」、戦ったセット数「142」の中で、ナダルが1ゲームも与えずにジョコビッチからセットを取ったのは初めてのことだった。
6-0のことをベーグルパンの形に引っかけ、英語のテニス・スラングでは“ベーグル”というが、今大会を通して彼はキャリア最高の4ベーグル・セットを手にしていた。
「僕はあらゆる面で素晴らしい第1セットをプレーした。ミスはなく、すごくアグレッシブで、(配球の)方向を絶えず変えていた」とナダルは振り返った。
「(ここまでいいのは)普通のことではなく、たぶんふたたび起きることはないだろうね」
ナダルの復調は、これ以上は無理というほど最適のタイミングで起こった。彼は今週末から記録更新となる12度目のフレンチ・オープン・タイトルを目指すことになる。
「タイトルを勝ち獲ることは重要だが、僕にとってもっとも重要なのは自分に競争力を感じ、健康であると実感することなんだ」とナダルはコメントした。
「それから、自分の調子が向上しつつあると感じること。もし自分が本来のレベルに至れれば勝てるということはわかっている。負けることもあるが通常、特にこのサーフェスでは勝つためのチャンスを手にすることになる」
彼はまた、「今は、進み続けるべきときだ」と言い添えた。
世界ランク1位のジョコビッチは、これに先立つ2日にフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)、そしてディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を相手にテニスコート上で5時間半以上を費やしたあと、疲労困憊しているように見えた。ジョコビッチはまた、先週のマドリッドでも最終日まで勝ち進み、優勝を遂げていた。
「疲労とか、そういうことについては話したくない」とジョコビッチは表彰式の際に観客に向かって言った。
「今日のラファはただただ、強すぎた」
のちに記者たちと話した際に、ジョコビッチは、「今日は少しガス欠になってしまった。特にバックハンド側で半歩足りない感じだった」と明かした。
会場のフォロ・イタリコの観客たちは、「バイ(行け)、ノール!」の掛け声で彼を励まそうとし続けたが、この日、世界1位のジョコビッチはオーバーヘッドとドロップショットに問題を抱えていた。第2セットの半ば、ナダルはロブを追って走ると肩ごしにショットを返し、続くジョコビッチのオーバーヘッドがネットにかかって長いポイントが締めくくられた。
次のゲームでもオーバーヘッドをネットにかけたジョコビッチは、第2セットの終盤にドロップショットをミスしたときには、フラストレーションからボールを蹴った。
しかしジョコビッチは第2セットでは踏ん張り、ナダルからのループ状のフォアハンドがサイドを割ったときに、最初のブレークを果たして最初のセットポイントをものにした。第2セットを取ったあとに椅子に向かって歩いているとき、ジョコビッチは腕を振って観客に応援を促した。
しかしながら、ジョコビッチのエネルギー貯蔵庫には、もはや多くの燃料が残っていなかった。
第3セットの第1ゲームで、ナダルがジョコビッチをベースライン角の深い位置に押しやったとき、ジョコビッチの懸命のロブがアウトとなり、ナダルにブレークが手渡された。ジョコビッチはフラストレーションからラケットを地面に3度叩きつけ、主審から警告を受けた。
ジョコビッチはセカンドサービスからのポイントの29%しか取ることができず、39本のアンフォーストエラーを記録。対するナダルは、アンフォーストエラーを17本にとどめた。また、ナダルは9本以上のショットが続いた31回のラリーのうち23回を取っていた。
ダブルス決勝も行われ、第3シードのフアン セバスチャン・カバル/ロベルト・ファラ(ともにコロンビア)が第6シードのレイブン・クラーセン(南アフリカ)/マイケル・ビーナス(ニュージーランド)を6-1 6-3で下して大会を制した。(C)AP(テニスマガジン)
※トップ写真はラファエル・ナダル(スペイン)
Rafael Nadal (SPA) celebrates the victory with the trophy in his Mens Final match against Novak Djokovic (SRB) during Internazionali BNL D'Italia Italian Open at the Foro Italico, Rome, Italy on 19 May 2019. (Photo by Giuseppe Maffia/NurPhoto via Getty Images)
Pick up
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-11-29
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Pick up
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-11-29
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ